
この記事でわかること
- 『残月記』の登場人物と物語の背景
- 月昂病や月昂者の特徴と社会での扱われ方
- 収録作品『そして月が振り返る』『月景石』の考察とストーリー
- 本屋大賞ノミネートの評価や読者の賛否の理由
『残月記』は、小田雅久仁による幻想的で奥深い物語です。本作には、異世界と現実が交錯する独特のストーリーが描かれ、読者を不思議な世界へと引き込みます。
本記事では、『残月記』のあらすじと物語の背景を詳しく解説し、作品の根幹をなす月昂病や月昂者の特徴にも触れていきます。
また収録作のひとつである、『そして月が振り返る』の考察や、『月景石』のストーリーについてもご紹介。
さらに『残月記』が本屋大賞にノミネートされた評価や、読者の間で「面白い」と「つまらない」の賛否が分かれる理由についても掘り下げていきます。
関連作品として、小田雅久仁のホラー短編集『禍』のあらすじも取り上げるので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

本記事を読めば、『残月記』の魅力を深く理解できるだけでなく、作品の考察をより楽しめるでしょう。
※ 本記事は多くのネタバレが含まれますので、ご注意ください。
残月記 あらすじと物語の魅力

『残月記』は、小田雅久仁氏による短編集で、月を共通のテーマとしながらも、それぞれ異なる世界観と物語が展開される作品です。
表題作「残月記」を含む3編はいずれも幻想的でありながら、人間の生と死、存在意義を深く問いかける内容となっています。
この章では次のことを取り上げます。
- 著者「小田雅久仁」の特徴
- 登場人物と物語の背景
- 月昂病とは?月昂者の特徴と運命
- そして月が振り返る 考察と物語の解釈
- 月景石の不思議な設定とストーリー
著者「小田雅久仁」の特徴
小田雅久仁(おだ まさくに)氏は日本の小説家であり、ファンタジーやSF要素を含んだ独創的な作品で知られています。
代表作には『増大派に告ぐ』『本にだって雄と雌があります』などがあり、2021年に発表した『残月記』は大きな話題となりました。

小田氏の作品の特徴は、緻密に構築された異世界と現実世界と交錯する幻想的な設定です。
読者を物語のなかに引き込む巧みな筆致に加え、文学的な表現も多く、一般的なエンターテインメント小説とは一線を画しています。
読者を惹きつける世界観
またホラーやディストピア的な要素も取り入れつつ、登場人物の心理描写を丁寧に描いています。そのため単なるファンタジーではなく、人間の本質を問いかける作品が多いのも特徴です
さらに小田氏の作品は、「読後の余韻が深い」と評価されることが多く、はっきりとした結末を描かないこともあります。そのため、読者が解釈を自由に広げられる点も魅力のひとつといえるでしょう。
一方で独特な文体や哲学的なテーマにより、やや難解だと感じる読者もいます。しかしそれこそが小田氏の作品の味わいであり、一度世界観に入り込むと、その奥深さに魅了される人も少なくありません。
登場人物と物語の背景

『残月記』は、月をモチーフにした3つの物語が収められた作品集です。それぞれ独立した短編・中編です。どの物語も「月の影響を受ける世界」が共通のテーマになっています。
もっとも長編にあたる表題作『残月記』の主人公は、宇野冬芽。冬芽は、近未来の日本で感染が拡大した「月昂病」を患っており、その影響で剣闘士として戦う運命を背負います。
冬芽が戦いながらも愛する女性との生活を夢見て、生き抜こうとする姿が本作の大きな軸です。

また冬芽の恋人となるルカも重要な登場人物です。
彼女も月昂病に感染しており、厳しい環境の中で生き延びることを強いられます。ふたりの関係は、ディストピア的な世界観のなかで展開される「純愛」として描かれています。
その他の登場人物には独裁国家を支配する下條拓がおり、彼は権力を背景に月昂者を利用しながら独裁体制を強化していきます。
さらに冬芽が所属する剣闘士たちや、月昂病患者が送られる「療養所」の人々も登場し、作品全体の世界観を形作っています。
独裁国家と月昂病
物語の背景として、日本は自然災害をきっかけに憲法が停止され、一党独裁国家となっています。
この独裁政権が月昂病患者を社会から隔離し、彼らを見世物として利用するシステムを構築することで、物語の緊迫感が増しています。
こうした設定のなかで冬芽は生きるために戦い続け、愛する人との未来を夢見るものの、決して単純なハッピーエンドには向かいません。

読者は冬芽の苦悩や希望を通じて、人間の尊厳とは何かを考えさせられるでしょう。
月昂病とは? 月昂者の特徴と運命

月昂病は、『残月記』の物語において重要な要素となる架空の感染症です。この病を発症した者は「月昂者」と呼ばれ、月の満ち欠けによって精神や身体能力が大きく影響を受けます。
具体的には満月の時期には暴力性が増し、非常に高い身体能力を発揮。その一方で新月の時期には極度に衰弱し、場合によっては死亡する場合もあります。
このため社会にとって「危険な存在」と見なされ、月昂者は療養所という名の収容施設に、隔離される運命を辿ることになるのです。
見世物としての剣闘士
政府は月昂病患者を社会から排除するだけでなく、一部の者を剣闘士としてスカウトし、闘技場での死闘を強いる制度を作り上げました。
これは月昂者の暴力性を利用した見世物としての要素が強く、観客にとっては娯楽のひとつとなっています。
しかし月昂者にとっては生き延びるための唯一の手段であり、戦いに勝つことでわずかな特権を得られます。
一方、月昂病には単なる暴力性の増加だけでなく、「創造性が向上する」という特性もあります。

患者のなかには優れた芸術作品を生み出す者もおり、冬芽もまた木像を彫ることで自身の生を表現するのです。
この点が本作の単なるディストピア物語ではなく、芸術性や人間の本質に迫る要素を持たせているポイントといえるでしょう。
月昂病が問いかけるもの
ただし月昂病は決して、「特殊能力」として肯定的に描かれているわけではありません。発症した人々は差別を受け、社会の底辺に追いやられ、まともな人生を送ることが許されない現実に直面します。
彼らにとっては病そのものよりも、それを取り巻く社会の仕組みこそが最大の敵なのです。
このように月昂病は単なる病気ではなく、人間の尊厳や社会の構造、そして生きる意味を問う要素として物語の核になっています。

読者は月昂者の運命を通じて、現実社会にも通じる差別や支配の構造を考えさせられるでしょう。
『そして月が振り返る』考察と物語の解釈

『そして月が振り返る』は、『残月記』に収録された短編のひとつで、「月が裏返る瞬間に、現実が書き換えられてしまう」という不条理な現象をテーマにした物語です。
主人公・高志は家族とレストランで食事中、トイレに立った際に赤い満月を目撃します。
そして席に戻ると、妻や子どもたちは高志を他人のように扱い、自分そっくりの別人が家族のなかにいることに気付きます。
「存在の否定」が意味するもの
この物語の解釈として考えられるのは、「自己の喪失とアイデンティティの揺らぎ」です。高志は家族との幸せな日常を得たはずが、たった一瞬の出来事で「存在を否定される側」に追いやられるのです。
これは現実社会でも起こりうる、「立場の急激な変化」や「居場所の喪失」を象徴していると考えられるでしょう。

例えば、社会的な立場を失う、環境の変化によって自分の価値が揺らぐことに似ています。
また物語全体にホラー的な要素が強く、「月が裏返ることで世界が変わる」という設定は、読者に強い不安を与えます。
P.K.ディックの『流れよわが涙、と警官は言った』のように、「突然、自分の存在が他者から否定される」恐怖を描いた作品と共通するテーマが感じられます。
解釈を委ねるラスト
『そして月が振り返る』のラストは、読者に解釈を委ねる形で終わります。
高志は何とか元の世界に戻ろうとするものの、完全には取り戻せません。そして携帯電話に「もうひとつの世界」に迷い込んだ人々からのメッセージが届くシーンが印象的です。
これによって「高志だけの特異な出来事ではなく、同じように消えた人間が他にもいる」ことが暗示され、読後にさらなる恐怖や想像をかきたてます。
このように、『そして月が振り返る』は、一見すると単なるホラーのように見えますが、現実と幻想の境界や人間のアイデンティティ、存在の不確かさを鋭く描いた作品です。

読後には、「自分が生きる世界が本当に本物なのか?」という疑問が頭をよぎるかもしれません。
月景石の不思議な設定とストーリー

『月景石』は、『残月記』に収録された短編のひとつで、「石を媒介にして異世界とつながる」という幻想的な設定が特徴的な作品です。
主人公・澄香(すみか)は、幼い頃に亡くなった伯母の形見として「月景石」という不思議な石を受け取ります。
伯母はかつて「この石を枕の下に入れて寝ると月に行ける。でも、絶対にやってはいけない」と言っていました。しかし澄香が好奇心から石を枕の下に置いて眠ると、夢のなかで月世界へと導かれることになります。
夢の中で広がる異世界体験
この作品の最大の魅力は、「夢と現実の境界が曖昧になる感覚」です。澄香は夢のなかで、月に住む「イシダキ」と呼ばれる種族として生きる体験をします。
しかし次第にその世界の記憶が現実にも影響を及ぼし、どちらが本当の自分なのか分からなくなっていくのです。
これは「現実と幻想が交錯する瞬間」を巧みに描いた構成となっており、読者も澄香と同じように混乱しながら物語を追うことになります。
過去と記憶が交錯する物語
またこの物語は、「過去と記憶」というテーマとも深く関わっています。伯母の言葉を思い出しながら月景石を手にすることで、澄香は亡き伯母とのつながりを感じます。
しかしそのつながりが、単なる記憶のなかだけのものなのか、実際に異世界への扉なのかははっきりと描かれません。この曖昧さこそが、読後に独特の余韻を残す要因となっています。
物語の余韻と哲学的な問い
結末も非常に印象的です。澄香が夢から覚めたあと、果たして自分がどちらの世界にいるのか確信が持てないまま物語が終わります。
これは「私たちが今いる現実も、実は別の夢の一部なのでは?」、という哲学的な問いを読者に投げかけているといえるでしょう。
『月景石』は、不思議な石をめぐるファンタジックな物語でありながら、人間の意識や記憶、そして現実そのものに対する疑問を抱かせる作品です。

読後にはふと、月を見上げたくなるような余韻が残るでしょう。
「残月記」の評価や関連情報

残月記』は、数々の文学賞を受賞・ノミネートされ、読者からも高い評価を得ている話題作です。この章では次のことを取り上げます。
- 残月記 本屋大賞 ノミネート作品の評価
- 読者の評価と感想|肯定的な内容を紹介
- 残月記 つまらない?否定的な理由を考察
- 残月記の出版社などの書籍情報を紹介
- 関連作品 「禍」のあらすじ
残月記 本屋大賞 ノミネート作品の評価
『残月記』は、2022年の本屋大賞にノミネートされたことで、多くの読者の注目を集めました。
また第43回吉川英治文学新人賞と、第43回日本SF大賞をW受賞しており、その文学的価値とエンターテインメント性の両方が高く評価されています。
本屋大賞は全国の書店員による投票で選ばれる賞であり、一般読者に「今、本当に売りたい本」を推奨する目的で運営されています。
『残月記』がノミネートされたことは、単なる文学作品としての評価にとどまらず、「物語の面白さ」や「読後の満足度」が高く評価された結果であるといえるでしょう。
読者の評価|肯定的な内容を紹介

『残月記』は、幻想的な作風と独特なストーリー展開が特徴の作品です。そのため読者の評価は「圧倒的な没入感と美しい文章に引き込まれた」という肯定的な内容が多くあります。
世界観の作り込みが秀逸
『残月記』に収録された3つの物語は、すべて「月」をテーマにしており、それぞれ異なる設定ながら共通する幻想的な雰囲気を持っています。
特に表題作『残月記』では、月昂病に苦しむ人々の運命を描きながら、ディストピア的な世界観と純愛が融合し、読者を深く引き込む作品となっています。
文章表現が美しく、余韻が残る
小田雅久仁の文体は、詩的でありながらも緻密に構築されており、映像的な描写が際立っています。そのため、「読後に強い印象が残る」「小説としての完成度が高い」といった評価が多く見られます。
考察の余地が多く、何度でも読み返したくなる
物語の結末が明確に描かれず、読者の想像力に委ねられる場面が多いことも、この作品の魅力のひとつです。
そのため「考察が楽しい」、読み返すたびに新たな発見がある」という感想も少なくありません。
残月記 つまらない?否定的な理由を考察
『残月記』については、「面白い」と評価する読者が多い一方で、「つまらない」「合わなかった」と感じる読者も存在します。

賛否の分かれる理由は、主にストーリーの構成や文体、テーマの重さにあると考えられます。
物語が難解で分かりづらい
『残月記』に収録された3つの作品は、それぞれ独自の世界観を持ち、ストーリーの展開も一筋縄ではいきません。
特に読者が物語の構造や、背景を理解するまでに時間がかかるため、「入り込みにくい」と感じる人もいます。
読後感が重く、爽快感がない
作品全体に漂う雰囲気は、幻想的でありながらもどこか冷たく、孤独感や絶望が描かれる場面も多いです。
そのため「読後に気持ちが落ち込んだ」、「希望が感じられず、読んでいて辛かった」という感想を持つ人もいます。
結末が曖昧で、消化不良を感じる
『残月記』の物語はいずれも明確な終わり方をせず、読者に解釈を委ねる形で締めくくられます。
そのため「どう解釈すればよいのか分からない」、「結局何を伝えたかったのか分からなかった」という意見も見られます。
文章が硬く、読みにくい
小田雅久仁の文体は文学的で美しいと評価される一方で、一般的なエンタメ小説に比べてやや難解な表現が使われることがあります。
「言葉が難しく、スムーズに読めなかった」、「もう少し簡潔な文体だったら楽しめたかもしれない」という意見もあります。
読者の賛否の分かれるポイントまとめ

『残月記』が「つまらない」と感じるか、「面白い」と感じるかは、読者の好みや読み方のスタイルによる部分が大きいといえます。
明確なストーリー展開や分かりやすい結末を求める人には、難解でつまらないと感じる可能性がある。
哲学的なテーマや幻想的な世界観が好きな人には、考察の余地があり面白いと感じられる。
この作品は読む人によって解釈が変わるタイプの小説です。そのため、一度読んで「合わない」と感じた場合でも、時間をおいて再読すると新たな発見があるかもしれません。
残月記の出版社などの書籍情報を紹介
『残月記』は双葉社から刊行された書籍です。発売日は2021年11月18日で、単行本として出版されました。その後2023年には文庫版も発売され、さらに多くの読者に届くようになりました。
書籍情報
書名 | 残月記 |
著者 | 小田雅久仁(おだ まさくに) |
出版社 | 双葉社 |
発売日 | 2021年11月18日(単行本) / 2023年(文庫版) |
ページ数 | 単行本 352ページ |
ISBN | 978-4575244583(単行本) |
本作は、双葉社のミステリー・SF・ホラー系のレーベル「双葉社小説推理」に掲載された短編をまとめたものです。ジャンルとしては、ダークファンタジー、SF、ホラー要素を含んだ幻想文学と位置づけられます。
本屋大賞・文学賞の受賞歴
『残月記』は高い評価を受け、以下の文学賞にノミネート・受賞しました。
- 2022年本屋大賞 第7位
- 第43回 吉川英治文学新人賞 受賞
- 第43回 日本SF大賞 受賞
本屋大賞は全国の書店員による投票で選ばれる賞であり、多くの読者に推薦されたことが分かります。
また日本SF大賞と吉川英治文学新人賞の受賞は、文学的価値とエンターテインメント性の両面が評価された証といえるでしょう。
関連作品 「禍」のあらすじ

『禍(わざわい)』は小田雅久仁氏の短編集で、2023年7月12日に新潮社から発売されました。

本作は「恐怖」と「驚愕」をテーマに、人間の身体や感覚をモチーフにした7つの短編を収録しています。
『禍』のあらすじ
本作には、「耳」「目」「口」「髪」など、人間の身体にまつわる異様な出来事を描いた7つの短編が収録されています。小田雅久仁の独特な世界観と、グロテスクでありながらも美しい文章が特徴です。
『耳もぐり』
失踪した恋人を探しに来た男が、「隣人」を名乗る男と会話をするなかで、「耳もぐり」という奇怪な技について語られる。
耳から入り込んで他人の記憶を奪う能力を持つ者が現れ、恐ろしい事実が明らかになっていく。
『食書』
ある日、主人公はトイレで本を「食べる」女性を目撃する。試しに自分も食べてみると、その本に書かれた内容を実体験として味わうことができると知る。
しかしそれは単なる知識の摂取ではなく、次第に恐ろしい事態を引き起こしていく。
『髪禍』
髪にまつわる奇妙な呪いに取り憑かれた人々の運命を描く。人間の持つ「毛髪」への執着が、異形の存在を生み出してしまう。
各話に共通するのは、「日常の延長線上に潜む異様な恐怖」です。ホラー要素だけでなく、幻想的な雰囲気や哲学的な問いかけも含まれており、読み進めるうちに現実の境界が曖昧になるような感覚を覚えます。
『残月記』との比較
『禍』と『残月記』には共通点がありますが、それぞれ異なる特徴を持っています。
作品名 | 特徴 | 出版社 | ジャンル |
残月記 | 月をテーマにした幻想的な短編3作 | 双葉社 | SF・ダークファンタジー・純愛 |
禍 | 身体にまつわる異形と恐怖を描いた7作 | 新潮社 | ホラー・怪奇・グロテスク |
『残月記』が「月と幻想の物語」であるのに対し、『禍』は「身体と恐怖の物語」といえます。
どちらも不気味な雰囲気と美しい文章が特徴ですが、『禍』の方がホラー色は強く、読後感もよりダークな印象を受けるでしょう。
残月記 あらすじと作品の魅力まとめ

小田雅久仁氏の『残月記』は、月を巡る幻想的な物語で、読後には深い余韻と哲学的な問いを残します。最後に、残月記のあらすじやポイントを箇条書きでまとめます。
- 小田雅久仁は幻想的な作風で知られる作家
- 『残月記』は月をテーマにした3つの物語で構成される
- 主人公・宇野冬芽は月昂病を患い、剣闘士として戦う
- 月昂病は満月時に身体能力が向上し、新月時に衰弱する病
- 物語の舞台は独裁国家となった近未来の日本
- 『そして月が振り返る』はアイデンティティの喪失を描く
- 『月景石』は異世界とつながる不思議な石を巡る物語
- 『残月記』は本屋大賞ノミネートなど高い評価を受けた
- 読者の評価は世界観や文体を称賛する声と難解さを指摘する声に分かれる
- 関連作品『禍』は人間の身体をテーマにしたホラー短編集
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