【ウィキッド】あらすじ・結末をネタバレ解説!登場人物や原作との違いも

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【ウィキッド】あらすじ・結末をネタバレ解説!登場人物や原作との違いも

この記事でわかること

物語の始まりから衝撃の結末までの詳細なストーリー展開

物語を動かす主要な登場人物たちの個性と、彼らの複雑な人間関係

『オズの魔法使い』の前日譚という作品の立ち位置と、原作小説との違い

友情や善悪といった、物語の根底に流れる感動的なテーマ

『オズの魔法使い』に登場する“西の悪い魔女”は、なぜあれほどまでに恐れられたのでしょうか?

もし彼女に誰も知らない過去があり、光り輝く“善い魔女”グリンダと、かつては無二の親友だったとしたら…。

ミュージカル『ウィキッド』は、私たちが知る物語を根底から覆す、ふたりの魔女の知られざる友情と葛藤、そして衝撃の結末を描いた物語です。

この記事では、これから観劇する方向けの簡単なあらすじから、結末までを網羅した完全ネタバレ解説、登場人物の深い人間関係を詳しくご紹介。

加えて、原作小説との違いや物語に流れる感動のテーマにも触れます。

ヨミト
ヨミト

『ウィキッド』の魅力を、余すところなく徹底解剖していきます。

※ 本記事の中盤以降には、多くの重要なネタバレを取り上げています。詳細なネタバレを知るのを避けたい方は、前半の章だけをご覧ください。

『ウィキッド』のあらすじを知る前に【基本情報】

  • 『ウィキッド』の基本情報・原作の存在
  • 主な登場人物と相関図
  • これから観る人向けの簡単なあらすじ

『ウィキッド』の基本情報・原作の存在

ミュージカル『ウィキッド』は、誰もが知る物語を元にしていますが、その成り立ちは単なるリメイクではありません。

元ネタとなった古典的世界観と、直接の原作となった現代小説という二つの源流を汲み取り、まったく新しい物語として再構築された作品です。

元ネタは『オズの魔法使い』

この物語の世界観や登場人物の元ネタは、ライマン・フランク・ボームによる児童文学の金字塔『オズの魔法使い』です。

また1939年に公開され世界中を魅了した、同名のミュージカル映画も含まれるでしょう。

『ウィキッド』は、私たちが既に知っている「西の悪い魔女」や「善い魔女グリンダ」といった象徴的なキャラクターたちの過去に焦点を当てています。

「なぜ魔女は緑色なのか」「なぜあれほどまでに恐れられたのか」といった謎に深く説得力のある答えを与えることで、古典的な物語に新たな生命を吹き込んでいるのです。

原作はグレゴリー・マグワイアの小説

ミュージカルの直接的な原作は、1995年にグレゴリー・マグワイアが発表した小説『ウィキッド:誰も知らない、もうひとつのオズの物語』でした。

これは単なるファンタジーではありません。

湾岸戦争が制作のきっかけになったと言われるほど、政治腐敗や差別、善悪の本質といったテーマを鋭く描いた、大人向けのダークな文学作品だったのです。

ミュージカル版は、この小説の骨格や登場人物を基にしています。

しかし物語の主軸を、ふたりの魔女の「友情」へと大胆に転換させることで、より普遍的で感動的な物語へと昇華させています。

作品の背景と評価

ミュージカル『ウィキッド』は、2003年10月にニューヨークのブロードウェイで初演されると、瞬く間に社会現象となりました。

作詞作曲家スティーヴン・シュワルツと脚本家ウィニー・ホルツマンは、複雑な原作小説を見事に舞台化し、21世紀を代表する傑作を生み出したのです。

その人気は衰えることを知らず、ブロードウェイでは歴代4位(2025年5月時点で8,378回)のロングラン公演を記録しています。

また2004年のトニー賞で3部門を受賞し、キャストアルバムはグラミー賞に輝くなど批評家からの評価も非常に高いです。

ヨミト
ヨミト

日本では劇団四季による上演が絶大な人気を誇るなど、世界中で愛され続ける作品といえるでしょう。

主な登場人物と相関図

『ウィキッド』相関図

『ウィキッド』の物語は、善悪のレッテルを貼られた登場人物たちの複雑な内面と、各人物の人間関係によって織りなされています。

ここでは物語の相関関係を理解するために欠かせない、主要な登場人物たちを深く掘り下げてご紹介します。

物語のふたりの主人公

エルファバ

本作の主人公であり、生まれつきの緑色の肌ゆえに社会から疎外される悲劇的な英雄です。

非常に聡明で、不正を許さない強い正義感を持っています。しかしその高潔さゆえに権力者と対立し、やがて「西の悪い魔女」という汚名を着せられてしまいます。

グリンダ

物語のもうひとりの主人公です。

誰もが羨む美貌と人気を兼ね備えていますが、当初は自己中心的でうわべだけの人物でした。そんな彼女が、正反対のエルファバとの友情を通して大きく変わっていきます。

妥協と責任の重さを知ることで人々を導く指導者へと成長し、後の「北の良い魔女」となります。

物語の鍵を握る人物たち

フィエロ

自由奔放なウィンキー国の王子です。当初は軽薄な遊び人に見えますが、内には誠実さと勇気を秘めています。

社会の常識よりもエルファバの信念に共感し、彼女と共に戦う道を選ぶ、物語の道徳的な中心人物です。

オズの魔法使い

エメラルドシティに君臨する偉大な支配者。しかしその正体は気球でオズに迷い込んだ、魔力を持たないただの人間です。

悪意の塊ではなく、むしろ愛されたいと願う凡人ですが、権力を維持するために嘘を重ね、国民を操る独裁者と化しています。

マダム・モリブル

エルファバたちが通うシズ大学の学長です。

エルファバの才能をいち早く見抜きながらも、自らの野心のために彼女を利用します。最終的には「西の悪い魔女」というプロパガンダを創り出す政治的策略家でもあります。

物語に深みを与えるキャラクター

この他にも、エルファバの妹で歪んだ愛情から圧政者となる「ネッサローズ」や、報われない恋が悲劇を招く「ボック」が登場します。

そして動物たちの権利を奪われる象徴的存在「ディラモンド教授」など、魅力的なキャラクターたちがそれぞれの立場で葛藤し、物語に深い奥行きを与えているのです。

3分でわかる簡単なあらすじ

『ウィキッド』イメージ
イメージ|あらすじノオト

もし、誰もが悪役だと信じていた物語の裏に、隠された真実の友情があったとしたら?

『ウィキッド』は、童話『オズの魔法使い』で知られる「西の悪い魔女」と「善い魔女グリンダ」の知られざる過去を描いています。

そして何が本当に「善」で、何が「悪」なのかを問いかける物語です。

正反対なふたりの出会い

物語の舞台は魔法の国オズにある名門シズ大学。

生まれつきの緑色の肌ゆえに周囲から敬遠されながらも、鋭い知性と正義の心を秘めた少女エルファバがいます。そして誰からも愛されることだけを願う、光り輝くような人気者のグリンダ。

ヨミト
ヨミト

運命のいたずらか、正反対のふたりは同室のルームメイトになってしまいます。

水と油のようなふたりは当然のように激しく対立しました。

しかしある出来事をきっかけに、「悪い」「善い」という表面的なレッテルを超えて互いの魂に触れ、やがて誰にも代えがたい友情で結ばれます。

友情、そして運命の転換点

そんな中、エルファバの持つ強大な魔法の力が、オズの国を統べる偉大な魔法使いの目に留まりました。

憧れのエメラルドシティへと招かれたふたりは、その力をオズ全体のために役立てられると希望に胸を膨らませます。

しかしそこで目の当たりにしたのは、輝かしいオズの国の根幹を揺るがす衝撃的な真実でした。

エルファバは、「正しいこと」と「人気であること」との間で究極の選択を迫られます。この決断を境に、ふたりは引き返すことのできない、それぞれの道を歩み始めるのです。

『ウィキッド』のあらすじ徹底解説と深掘り情報

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イメージ|あらすじノオト
  • あらすじの徹底解説【完全ネタバレ】
  • 『ウィキッド』が伝える感動のテーマ
  • ミュージカルと原作小説の違いは?
  • 劇団四季観劇レビュー|感想・評価まとめ
  • 『ウィキッド』に関するQ&A

あらすじの徹底解説【完全ネタバレ】

※ ここではミュージカル『ウィキッド』の物語の始まりから衝撃の結末まで、すべてあらすじを詳しく解説します。詳細を知りたくない方はご注意ください。

プロローグ|エルファバの出生の秘密

物語は、オズの国民たちが「西の悪い魔女」の死を喜び、祝う場面から幕を開けます。

そこへ「善い魔女」グリンダが現れ、群衆に促される形で、彼女がなぜ「悪い魔女」になったのか、その過去を語り始めます。

場面は遡り、エルファバの誕生シーンへ。

彼女の母親は、夫以外の謎の男と関係を持ち、緑色の秘薬を飲んだことが原因で、全身緑色の肌を持つエルファバが生まれました。

父親はその異様な姿を忌み嫌い、エルファバは生まれた瞬間から愛されぬ運命を背負うことになったのです。

第一幕|友情の芽生えとオズの国の裏切り

成長したエルファバは、車椅子の妹ネッサローズの付き添いとして名門シズ大学に入学します。そこで正反対の性格である人気者のガリンダと、ひょんなことからルームメイトになりました。

当初は激しく嫌い合っていたふたりですが、ダンスパーティーでの一件をきっかけに互いを理解し、固い友情を育んでいきます。

運命が変わるエメラルドシティへ

しかしエルファバが尊敬するヤギのディラモンド教授が、「動物(アニマル)」から言葉を話す能力が奪われていると警告します。

これを機に、オズの国の平和に影が差していることに彼女は気づき始めるのです。

エルファバの持つ類まれな魔法の才能が認められ、ふたりは憧れのエメラルドシティでオズの魔法使いに謁見する機会を得ます。しかしそこで待っていたのは衝撃の真実でした。

ヨミト
ヨミト

偉大なはずの魔法使いはただの人間であり、動物たちから言葉を奪う計画の首謀者だったのです。

協力を拒んだエルファバは、魔法使いと学長マダム・モリブルによって国家の敵「ウィキッド(邪悪な者)」というレッテルを貼られます。

第一幕は、追っ手から逃れるため、エルファバが自らの信念を貫くことを決意します。そして魔法の力で高らかに宙へ舞い上がる、圧巻のシーンで締めくくられます。

第二幕|引き裂かれたふたりの魔女

数年のときが経ち、エルファバは国中から追われる反逆者となりました。

一方のグリンダは「善い魔女」として国民の象徴に祭り上げられています。そんな中、エルファバはマンチキンランドの圧政者となった妹ネッサローズを訪ねますが、そこで悲劇が起こりました。

ネッサローズの恋のいざこざに巻き込まれ、エルファバは青年ボックを救うために魔法を使います。結果的に彼はブリキの体を持つ「ブリキの木こり」になってしまいました。

その後、エルファバは護衛隊長となったフィエロと再会し、ふたりは愛を確かめ合います。しかしフィエロはエルファバを逃がすために捕らえられ、拷問にかけられることになりました。

絶望、そして『悪い魔女』の誕生

愛する人さえも不幸にしてしまうと絶望したエルファバは、自らが「悪い魔女」であるという運命を完全に受け入れる決意を固めるのです。

やがて物語は『オズの魔法使い』と交差し、ドロシーの家がネッサローズを死なせてしまいます。

エピローグ|衝撃の結末と最後の真実

エルファバの城で、エルファバとグリンダは最後の対面を果たしました。ふたりは互いの人生に与えた影響を認め合い、涙ながらに別れの歌を歌います。

そしてドロシーが城にやって来ると、エルファバは計画どおりにバケツの水をかけられ、大衆の前で溶けて消滅したかのように見せかけました。

偽りの死と、ふたりの未来

しかしこれはすべて、エルファバが仕組んだ偽装だったのです。悲しみに暮れるグリンダがオズの魔法使いを追放した後、物語の真実が明かされます。

地下通路から、死んだはずのエルファバが現れました。彼女を待っていたのは、かかしの姿になったフィエロ。

彼はエルファバが拷問から救うためにかけた魔法によって、死の淵から救われていたのです。

ふたりは誰にも真実を告げることなく、オズの国を去っていきました。グリンダだけが親友の生存を知りながら、彼女の意志を継いでオズを正しく導いていくことを決意します。

こうして世界は、「西の悪い魔女」が死んだと信じ続けることになりました。その裏に隠された友情と自己犠牲の物語は、観客だけが知る秘密となるのでした。

『ウィキッド』が伝える感動のテーマ

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イメージ|あらすじノオト

『ウィキッド』が多くの観客の心を捉えて離さない真の理由は、単なるエンターテインメントに留まりません。

それは私たち自身の「善」と「悪」の定義に、挑戦状を叩きつける力を持っているからです。

その感動は、友情、音楽、美術という3つの要素が、普遍的なテーマを探求するために奇跡的に融合することで生まれます。

多くの人が涙する「エルファバとグリンダの友情」

この物語の感情的な核は、エルファバとグリンダの間に育まれる、リアルで複雑な友情です。

これは肌の色や人気といった外見的なレッテルを越えて、内なる人間性を理解し合うことの尊さを描いています。

ふたりの関係は、嫉妬や誤解、裏切りといった試練に満ちていました。だからこそ社会によって引き裂かれながらも、互いの存在が自分を永遠に良い方向へ変えてくれたと認め合うのです。

ヨミト
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最終的に歌われる別れの曲は、単なる悲しい場面ではありません。

離れ離れになっても互いが与えた影響は永遠に残り続けるという、希望に満ちた力強い肯定でもあるのです。

圧巻の歌唱力と名曲たちへの絶賛の声

スティーヴン・シュワルツが手掛けた音楽は、登場人物たちの魂の叫びそのものです。それぞれの楽曲が、彼らの心理的な旅路を鮮やかに描き出します。

物語を象徴する3つの名曲

特に、第一幕を締めくくる「自由を求めて(Defying Gravity)」は、誤解されてきたすべての人のための解放のアンセムです

エルファバが社会から押し付けられた物語を拒絶し、自らの意志で生きることを決意する、息をのむほど感動的な瞬間といえるでしょう。

またグリンダの「ポピュラー(Popular)」は、外見を重んじる世界で生き抜くための彼女なりの哲学をコミカルに描いています。

ふたりの友情の集大成である「あなたを忘れない(For Good)」は、人と人との出会いがもたらす変革の力を美しく歌い上げます。

豪華絢爛な舞台装置と衣装の美しさ

『ウィキッド』の視覚的世界は、物語のテーマを象徴的に表現しています。

舞台上に常に存在する歯車と時計のモチーフは、登場人物たちを動かす運命や権力、そしてプロパガンダの機構を暗示しているかのようです。

一面緑色に輝く「エメラルドシティ」は、エルファバが本来なら溶け込めるはずの場所です。

しかしそこでも疎外感を味わうという皮肉を際立たせ、まばゆいばかりの虚飾の裏に隠された腐敗を映し出します。

ヨミト
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トニー賞を受賞した衣装もまた、登場人物の内なる旅路を視覚化しています。

権力を得るにつれて堅苦しくなっていくグリンダのドレス、自らのアイデンティティを受け入れたエルファバの力強い黒い衣装など、そのすべてが物語に深い意味を与えているのです。

ミュージカルと原作小説の違いは?

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イメージ|あらすじノオト

ミュージカル『ウィキッド』は、原作小説を忠実に舞台化したものではありません。物語の核となるテーマや結末が大きく異なる、いわば「再創造」された作品です。

物語のトーンとテーマ性の違い

もっとも大きな違いは、作品全体のトーンにあります。

グレゴリー・マグワイアによる原作小説は、政治腐敗や悪の本質を問う、非常にダークでシニカルな大人向けの物語です。

ヨミト
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一方、ミュージカル版は原作が持つ複雑な背景は残しつつも、物語の焦点を絞りました。

エルファバとグリンダの「友情」と「自己肯定」をテーマに、より多くの人が共感できる感動的なエンターテインメントとして創り上げられています。

結末と登場人物の運命

この根本的な違いは、登場人物たちの運命にも色濃く反映されています。

例えば、小説では悲劇的な死を遂げる登場人物が、ミュージカルでは生き延びるなど、希望を感じさせる結末へと変更されました。

特に物語の終わり方は対照的です。

小説の結末は救いがなく悲劇的ですが、ミュージカルではエルファバは死を偽装します。そして愛する人と共に生き延びるという、ほろ苦くも幸せな未来が描かれているのです。

以上のように、ミュージカルは原作の持つ奥深い世界観をベースにしながらも、より普遍的で高揚感のある物語へと大胆に脚色されています。

そのため両方の作品に触れることで、それぞれの魅力と解釈の違いをより深く楽しむことができるでしょう。

原作小説(ハヤカワ文庫)を読む方法|クーポン情報

ミュージカルとは異なる魅力を持つ原作小説『ウィキッド――誰も知らない、もうひとつのオズの物語』は、早川書房よりハヤカワ文庫NVとして、上下巻で刊行されています。

主な購入方法としては、全国の書店や、Amazon、楽天ブックスといったオンラインストアで紙の書籍を注文する方法があります。

またコミックシーモアや、Kindleストアといった電子書籍ストアでも手軽に購入でき、すぐに読み始めることが可能です。

特にお得に購入する方法として、電子書籍サイト「コミックシーモア」の新規会員登録が挙げられます。

ヨミト
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コミックシーモアに無料の新規会員登録をすると、1冊に利用できる70%OFFクーポンがもらえます。

このクーポンを活用すれば、『ウィキッド』を、定価より大幅に安い価格で手に入れることができます。

もちろん、他の電子書籍ストアでも独自のセールやポイント還元キャンペーンが実施されることがあります。購入前に各ストアの情報を比較検討してみるのも良いでしょう。

劇団四季観劇レビュー|感想・評価まとめ

「評価」という文字を虫眼鏡で見ている

劇団四季の『ウィキッド』は、単なる人気演目という言葉では片付けられません。日本のミュージカルファンにとって特別な作品です。

公式に「再演希望No.1」と謳われるほど、その復活は多くのファンにとってまさに「悲願」でした。その熱狂ぶりはチケットの入手が困難を極めることにも表れています。

ここでは、多くの観劇レビューから見えてくる、その圧倒的な評価の核心に迫ります。

現代にこそ響く、物語のテーマ性

多くのレビューで共通して語られるのは、物語が現代にこそ深く響くという点です。

エルファバとグリンダの友情を通して描かれる「物事を多角的に見ることの大切さ」。

社会の圧力の中で自分の信念を貫くことの難しさは、初演当時よりも切実なテーマとして観客の胸を特に打ちます。

ヨミト
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レビューの中には「時代がやっと『ウィキッド』に追いついた」という言葉もありました。

大人になった観客からは、エルファバの正義だけでなく、理想と現実の間で葛藤するグリンダの姿にも強く感情移入したという声が寄せられています。

キャストのパフォーマンスとリピート鑑賞の魅力

その感動を支えるキャストのパフォーマンスへの称賛は尽きません。

特にエルファバ役の俳優が歌い上げる「魂まで揺さぶられるような」圧巻の歌唱力は、この作品の大きな魅力です。

しかし評価されているのは技術力だけではありません。

レビューからは、キャストによってキャラクターの解釈が異なり、観るたびに新たな発見があるという、リピート観劇ならではの楽しみ方をしているファンの姿がうかがえます。

総じて、劇団四季版『ウィキッド』は「楽曲・歌詞・ストーリー・演出のすべてにおいてクオリティが桁違いに高い」と絶賛されています。

作品をより深く楽しむために

補足として、元ネタである『オズの魔法使い』の物語を事前に知っておくことを推奨する声も多く見られました。

そうすることで、本作の巧みな伏線やキャラクター造形の深さを、より一層味わえるようになるからです。

『ウィキッド』に関するQ&A

「Q&A」と印字された木のブロック

ここでは『ウィキッド』に関して、よく寄せられる質問とその答えをまとめました。

Q. ウィキッドの結末を教えて。エルファバは最後どうなる?

A. ミュージカル版の結末において、エルファバは死にません。

物語のクライマックスでドロシーに水をかけられて溶ける場面がありますが、これはエルファバ自身が計画した偽装です。

実際には城の床にある隠し扉から脱出し、無事だったフィエロと再会します。彼はエルファバの魔法でかかしの姿に変えられ、命を救われていたのです。

ふたりはオズの国を永遠に去り、その真実を知るのは親友のグリンダだけ、という結末を迎えます。

Q. エルファバは結局、誰の子ですか?

A. この答えは、ミュージカル版と原作小説で異なります。

ヨミト
ヨミト

ミュージカル版では、物語の終盤でエルファバの実の父親が「オズの魔法使い」であることが明かされます。

エルファバの母親が、後のオズの魔法使いと不倫関係にあり、彼から渡された緑色の秘薬を飲んだことがすべての始まりでした。

一方、原作小説では父親は別の人物です。

ミュージカル版では物語の劇的な効果を高めるために設定が変更されています。

Q. 劇団四季版の『ウィキッド』もあらすじや結末は同じなの?

A. はい、同じです。劇団四季の公演は、ブロードウェイ版のライセンスに基づいたプロダクションとなります。

そのため日本語への翻訳や、キャストによる細かな表現の違いはありますが、物語のあらすじ、音楽、そして結末に至るまで、ブロードウェイ版とまったく同一の内容です。

Q. 映画版の公開について教えてください。

A. ミュージカルは、二部構成の長編映画として実写化されました。

第一部は『ウィキッド ふたりの魔女』という邦題で、日本では2025年3月7日に公開されています。

ヨミト
ヨミト

第二部にあたる『ウィキッド 永遠の約束』は、2026年3月の日本公開が予定されています。

主なキャストは、エルファバ役にシンシア・エリヴォ、グリンダ役にアリアナ・グランデが起用され、大きな話題となりました。

Q. 映画版を見る方法や無料や割引などお得な情報はありますか?

A. 映画『ウィキッド ふたりの魔女』は、劇場公開後にデジタル配信が開始。Amazonプライム・ビデオやU-NEXTといった各種プラットフォームでレンタルまたは購入して視聴できます。

お得な情報として、動画配信サービスでは、多くの場合30日間などの無料トライアル期間が設けられています。

新規登録時に付与されるポイントを利用すれば、映画を無料または割引価格でレンタル視聴できる場合がありますので、各サービスの公式サイトを確認することをおすすめします。

ウィキッドのあらすじとポイントを総まとめ

黒板に「まとめ」の文字

『ウィキッド』は、歴史や評判の裏に隠された真実を解き明かし、「善」と「悪」がいかに作られるかを私たちに問いかけます。

ふたりの魔女がたどる友情と決別の物語は、観る者の心に忘れられない感動を刻むでしょう。

それでは最後にポイントを箇条書きでまとめます。

  • 『ウィキッド』は『オズの魔法使い』の知られざる前日譚である
  • 原作はグレゴリー・マグワイアのダークな大人向け小説
  • ミュージカルはふたりの魔女の「友情」を主軸に再構築された
  • 主人公は緑の肌を持つエルファバと人気者のグリンダ
  • 物語はオズの国の名門シズ大学での出会いから始まる
  • オズの魔法使いの正体は、魔力を持たないただの人間
  • エルファバは魔法使いの不正を知り、権力と対立する
  • やがてエルファバは「西の悪い魔女」という汚名を着せられる
  • 第一幕のクライマックスは名曲「自由を求めて(Defying Gravity)」
  • 物語の真の黒幕はシズ大学の学長マダム・モリブル
  • フィエロはかかしに、ボックはブリキの木こりへと姿を変える
  • 結末でエルファバは死を偽装し、フィエロと共にオズの国を去る
  • この真実を知るのは親友グリンダただひとりとなる
  • 日本では劇団四季が上演し、再演が熱望されるほどの人気作
  • 物語は二部作で映画化され、2025年に第一部が日本で公開された

最後までご覧いただきありがとうございました。コンテンツライターのヨミトがお届けしました。(プロフィールはこちら

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