
この記事でわかること
- 作品の基本的な概要(ファンタジー小説、著者、テーマ)と人気度
第1巻のあらすじ、主要な登場人物、世界観
シリーズ全体の構成、読むべき順番、完結予定時期
作品の魅力、読者からの評判(賛否両論)、関連情報(漫画化や書籍形態)
「レーエンデ国物語のあらすじを知りたいけど、ネタバレは避けたい…」そう思っていませんか?
本屋大賞ランクインで話題沸騰!多崎礼が描く壮大なファンタジー『レーエンデ国物語』。その重厚な世界観と革命”をテーマにした物語は、多くの読者を魅了しています。
ここでは気になるあらすじを、【ネタバレなし】でわかりやすく解説。さらに登場人物や読む順番、完結情報、賛否両論の感想まで、知りたい情報をまとめました。

さあ、あなたも魂を揺さぶるレーエンデの世界へ旅立ちましょう!
レーエンデ国物語の作品紹介と基本的なあらすじ
この章では、次のことを取り上げて『レーエンデ国物語』について世界をお伝えします。
- レーエンデ国物語の作品紹介
- レーエンデ国物語 あらすじ(ネタバレなし)
- 物語を彩る主な登場人物
- シリーズを読む順番と各巻のつながり
- シリーズは完結?対象年齢について
レーエンデ国物語の作品紹介

『レーエンデ国物語』は、作家・多崎礼さんによる壮大なファンタジー小説シリーズです。
西ディコンセ大陸という架空の世界にある「聖イジョルニ帝国」内、古くから「呪われた土地」と呼ばれる「レーエンデ地方」が物語の主な舞台です。
2023年6月に第1巻が刊行されて以来、重厚な世界観と魅力的なキャラクター、そして”革命”をテーマにした物語が多くの読者の心を掴みました。
2024年の本屋大賞で第5位にランクインし、累計発行部数は2025年1月時点で22万部を超えるなど、大きな注目を集めています。
シリーズ構成と展開
このシリーズは全5巻で完結が予定されており、2025年4月時点では第4巻『夜明け前』までが刊行されています。
各巻で時代設定や主要な登場人物が移り変わっていく大河ドラマのような構成が特徴です。
また月刊アフタヌーンにてコミカライズ版も連載されており、メディアミックス展開も進んでいます。

ファンタジーファンはもちろん、読み応えのある物語を求めている方にオススメの作品です。
レーエンデ国物語 あらすじ(ネタバレなし)

物語は聖イジョルニ帝国の貴族の娘・ユリアが、窮屈な生活から抜け出すように英雄である父・ヘクトルの旅に同行するところから始まります。
彼女たちが目指すのは、帝国内にありながらどの州にも属さず、「呪われた土地」として恐れられているレーエンデ地方です。
レーエンデの神秘と現実
レーエンデは、空を舞う不思議な泡虫や天に伸びる巨大な古代樹、満月の夜に出現するという幻の海が存在します。
そして「銀呪病」と呼ばれる特有の風土病もある、神秘的でありながらも厳しい自然を持つ土地です。
ユリアの成長と出会い
城の外の世界を知らなかったユリアは、レーエンデの独特な文化や美しい自然、そこで暮らす人々に強く魅了されていきます。
特に森で出会った琥珀色の瞳をもつ、寡黙な射手・トリスタンとの出会いは、彼女にとって大きな転機となります。
レーエンデで初めての友情、仕事、そして淡い恋心を経験するなかで、ユリアはこれまで知らなかった自分自身を発見します。そして成長していくのです。
巻き起こる争乱
しかしときを同じくして、レーエンデの土地と、そこに伝わる古い予言を巡る争乱が巻き起こります。ユリアも否応なくその渦中へと足を踏み入れることになるのです。

この第1巻は、壮大な物語の序章としてユリアの旅立ちと成長、そしてレーエンデが抱える問題を描いています。
物語を彩る主な登場人物

『レーエンデ国物語』シリーズには多くの魅力的な人物が登場します。ここでは物語の始まりである第1巻の中心となる人物を何人かご紹介しましょう。
ユリア・シュライヴァ
第1巻の主人公。聖イジョルニ帝国の貴族の娘で、当初は自身の役割に縛られ、やや世間知らずな面も持ち合わせています。
しかし父ヘクトルとのレーエンデへの旅を通じて、未知の世界に触れ、友情や恋を知ります。困難に立ち向かうなかで大きく成長していくのです。
物語が進むにつれて、「レーエンデの聖母」と呼ばれる運命を辿ることになります。
ヘクトル・シュライヴァ
ユリアの父であり、シュライヴァ騎士団を率いる「英雄」として知られています。
レーエンデの地に魅了され、交易路を開拓しました。この地を苦しめる風土病「銀呪病」の謎を解き明かしたいという強い思いを持っています。

娘のユリアを深く愛し、その成長を見守りますが、彼自身も過酷な運命に直面します。
トリスタン・ドゥ・エルウィン
レーエンデの森で暮らす、琥珀色の瞳を持つ寡黙な射手。弓の名手であり、ヘクトルとユリアの案内人を務めることになります。
レーエンデの自然や文化に詳しく、ユリアにとっては未知の世界への導き手であり、次第に惹かれ合う存在となります。しかし彼には、ある重大な秘密が隠されています。
リリス
レーエンデのウル族の少女で、ユリアと同年代。美しい黒髪を持ち、最初はユリアに対して警戒心を見せます。しかしやがて彼女にとって初めての、そしてかけがえのない親友となっていきます。
これらの登場人物たちの関係性や成長、そして彼らが直面する運命が、第1巻の物語を深く、感動的に彩っています。
シリーズを読む順番と各巻のつながり

『レーエンデ国物語』は全5巻で完結が予定されているシリーズ作品です。
各巻にはナンバリングが付いていませんが、物語は時系列に沿って進んでいきます。そのため、刊行された順番、つまり第1巻『レーエンデ国物語』から読み始めるのがもっともオススメです。
具体的には、以下の順番で読むと物語の流れをスムーズに理解できます。
『レーエンデ国物語』
『レーエンデ国物語 月と太陽』
『レーエンデ国物語 喝采か沈黙か』
『レーエンデ国物語 夜明け前』
『レーエンデ国物語 海へ』※
(※完結巻・2025年初夏発売見込み 2025年4月時点)
世代を超える物語構成
このシリーズは、各巻ごとにおよそ100年単位で時代が移り変わり、主人公も世代交代していく構成になっています。
第1巻で描かれた出来事や登場人物たちの思いが、後の時代の物語に深く関わってきます。例えば、第2巻以降では、第1巻の登場人物が歴史上の人物として語られることがあります。
また彼らが残したものが、次の世代の希望や葛藤の種になったりもします。
シリーズ通読の醍醐味
各巻はそれぞれ独立した物語としての区切りもあります。
シリーズを通して読むことで、「レーエンデ」という土地が経験する長い苦難の歴史がわかります。
そして自由を求めて戦った人々の思いが、世代を超えて受け継がれていく壮大な物語の全貌を味わうことができるでしょう。

順番に読むことで、伏線の回収や歴史の重みをより深く感じられるでしょう。
シリーズは完結?対象年齢について

『レーエンデ国物語』シリーズは、2025年4月17日現在、まだ完結していません。
全5巻での完結が予定されており、現在は第4巻『夜明け前』までが刊行されています。
最終巻となる第5巻『レーエンデ国物語 海へ』は、2025年の初夏頃の発売が見込まれています。当初の予定より少し時間がかかっているようですが、壮大な物語の結末を楽しみに待ちたいところです。
対象年齢と作品テーマ
対象年齢については、出版社から明確な指定はありません。作中には少女の成長や恋愛要素も描かれます。
しかし同時に国家間の争いや民族間の対立、差別、不治の病、登場人物の死といったシリアスで重いテーマも扱われています。
そのため読者レビューでは、「YA(ヤングアダルト)向け」「ライトノベルのように読みやすい」という声もあります。
その一方で、「重厚な大河ファンタジー」「大人向け」といった評価も見られます。
幅広い読者層へ
文章自体は比較的読みやすいと評されることが多いですが、物語の背景には複雑な歴史や設定が存在します。
これらの点から中学生以上から大人まで、幅広い層の読者が楽しめる作品といえるでしょう。
特にファンタジーの世界観に浸りたい方や、登場人物たちの生き様や葛藤を描く人間ドラマに関心のある方にオススメです。
レーエンデ国物語の深掘り|あらすじ考察から評判まで
この章では作品をより深く理解するために、次の内容を取り上げ掘り下げていきます。
- 物語の魅力はここ!
- 深掘り考察:あらすじ(ネタバレあり)
- 読者の感想・評判(賛否両論)
- 関連情報|漫画・アニメ化・続編はある?
- 書籍情報|単行本と文庫本について
物語の魅力はここ!

『レーエンデ国物語』が多くの読者を惹きつけている魅力は、多岐にわたります。
緻密で幻想的な世界観
まず挙げられるのが、緻密に作り込まれた幻想的な世界観です。「呪われた土地」レーエンデの描写は神秘的です。
空を舞う泡虫、天にそびえる古代樹、満月の夜に現れる幻の海といった自然描写が、読者を一気に物語の世界へと引き込みます。
美しさだけでなく、銀呪病という風土病がもたらす厳しさも描かれており、そのリアリティが世界に深みを与えています。
王道にして予測不能な物語
次に王道ファンタジーでありながら、単純な勧善懲悪に終わらないストーリーが挙げられます。「革命」を大きなテーマとし、世代を超えて受け継がれる自由への願いや葛藤を描く壮大な物語です。
ときには希望を打ち砕くような過酷な展開や、切ない結末を迎えることもあります。この予測不能で容赦のない展開が、かえって物語の深みとなり、読者の心を強く揺さぶります。
深い人間ドラマと登場人物
また魅力的な登場人物たちが織りなす、深い人間ドラマも大きな魅力です。
家に縛られていた少女ユリアが困難を乗り越え成長していく姿。英雄ヘクトルや寡黙な射手トリスタンの信念と葛藤。登場人物たちの間の強い絆や愛情、そして裏切りや対立。
これらファンタジー世界を舞台にしながらも、普遍的な人間の感情が丁寧に描かれています。
重厚な物語体験
これらの要素が組み合わさることで、ただのファンタジーに留まらない、読み応えのある重厚な物語体験を生み出しています。
美しい世界観に浸りつつ、登場人物たちの運命に一喜一憂し、歴史のうねりを感じることができるのが、本作最大の魅力といえるでしょう。
深掘り考察:あらすじ(ネタバレあり)

【注意!】この項目には、『レーエンデ国物語』第1巻の結末を含む重要なネタバレが含まれています。未読の方はご注意ください。
『レーエンデ国物語』第1巻は、壮大な物語の序章であり、希望と共に多くの謎と悲劇を残して幕を閉じます。
トリスタンの選択と犠牲
物語の中心人物であるトリスタンは、自身が不治の病「銀呪病」に侵されており、余命いくばくもないという秘密を抱えています。
ユリアへの深い愛情を抱きながらも、その想いを告げることはありませんでした。

病によって視力を失いつつある英雄ヘクトルの「目」となり、彼を支える道を選びます。
しかしレーエンデを襲う争乱のなかで、最終的にユリアやレーエンデの未来を守るために自らの命を犠牲にします。そして壮絶な最期を遂げるのです。
トリスタンの死は物語に深い悲しみをもたらしますが、同時にユリアが強く生きていくための大きな原動力となります。
ユリアを襲う過酷な運命
一方の主人公ユリアは、トリスタンとの悲しい別れの後、さらに過酷な運命に見舞われます。
レーエンデの神秘的な力(幻の海)によって、父を知らぬ子を身籠るのです。その子は後に「神の子」とも「悪魔の子」とも呼ばれることになるエールデです。
この出来事は、レーエンデを巡る帝国や法皇庁の思惑と絡み合い、さらなる争乱を引き起こします。
しかしユリアはトリスタンの遺した言葉を胸に、絶望に屈することなく、レーエンデのために戦い続けることを決意。この経験が彼女を「レーエンデの聖母」へと成長させる礎となります。
ヘクトルの最期と残された謎
また英雄ヘクトルも、レーエンデを守るための戦いのなかで命を落とすことになります。(※詳細な状況は続巻で語られる可能性があります)

第1巻では交易路建設の裏にあった帝国の野心や、神の子を巡る法皇庁の陰謀が明らかになります。
その一方で「銀呪病」の真実や、レーエンデの古代からの言い伝え、各民族の行く末など、多くの謎は解き明かされないままです。
次世代へと繋がる物語
この巻で撒かれた種が、100年後の第2巻以降、新たな登場人物たちによってどのように受け継がれていくのでしょうか。
そして”革命”へと繋がっていくのかが、シリーズ全体の大きな見どころとなります。
読者の感想・評判(賛否両論)

『レーエンデ国物語』は多くの読者から支持を集める人気作ですが、その評価は様々で、賛否両論の声が見られます。
高く評価される点(賛)
肯定的な感想・評判(「賛」)としては、以下のような点が挙げられます。
世界観と描写
「緻密で美しい世界観に引き込まれた」「レーエンデの幻想的な自然描写が素晴らしい」「異世界に没入できた」など、作り込まれた世界設定とその描写力が高く評価されています。
柏葉幸子さんや田中芳樹さんといった著名な作家からも、推薦の声が寄せられています。
物語とテーマ
「王道ファンタジーでありながら深みがある」「革命や世代を超えるテーマが壮大」「切ないけれど感動的」「先の読めない展開に夢中になった」といった、ストーリーに対する賞賛の声が多く聞かれます。
キャラクター
「登場人物が魅力的」「ヘクトルやトリスタンが格好良い」「ユリアの成長に感動した」「脇役も印象的」など、キャラクター造形への評価も高いです。
感動
「泣ける」「胸が熱くなる」「読後、放心した」といった、感情を強く揺さぶられたという感想も多数見られます。
好みが分かれる点(否)
一方で否定的な感想・評判(「否」)や、好みが分かれる点としては、以下のような指摘があります。
キャラクターの感情描写
「一部の登場人物(特にユリア)がヒステリックに感じられた」「感情の起伏についていけない部分があった」という意見があります。
文体・雰囲気
「大人向けファンタジーという触れ込みの割に、文体や展開がライトに感じた」「ラノベ的」といった、作風の軽やかさに対する指摘が見られます。
特に台詞回し(「!」や「っ」の多用)が気になるという声も。
恋愛描写
「恋愛要素がテンプレート的に感じられた」「主人公がモテている描写が少し気になった」という感想もあります。
物語構成
「第1巻だけでは謎が多く、消化不良に感じた」という声や、「人名や地名が覚えにくい」といった意見も見られました。
読む際の参考に
このように、『レーエンデ国物語』は多くの読者を魅了する要素を持っています。
一方でその作風やキャラクター描写、物語の進め方などについては、読者の好みによって評価が分かれる側面もあるようです。
読む際には、これらの様々な意見も参考にしてみると良いかもしれません。
関連情報|漫画・アニメ化・続編はある?

『レーエンデ国物語』の関連情報について、2025年4月17日現在の状況をまとめます。
コミカライズ情報
漫画化されています。作画を薄雲ねずさんが担当し、講談社の漫画雑誌「月刊アフタヌーン」にて連載中です。2024年12月号(2024年10月25日発売)よりスタートしました。

原作の壮大な世界観を、美麗なイラストで楽しむことができます。
アニメ化の可能性
2025年4月17日現在、アニメ化に関する公式な発表はありません。しかし原作の人気やコミカライズ展開が進んでいることから、今後のアニメ化を期待するファンの声は多く聞かれます。
最新情報については、公式サイトや出版社の発表を注視するとよいでしょう。
原作シリーズの完結
原作小説は全5巻で完結予定です。現在は第4巻まで刊行されています。
最終巻となる第5巻『レーエンデ国物語 海へ』が続編にあたり、2025年初夏の発売が予定されています。この第5巻をもって、壮大な物語は完結を迎えることになります。
公式ガイドブック
2024年6月には『レーエンデ国物語 公式ガイドブック レーエンデの歩き方』が発売されました。

作品世界の詳細な解説や年表、人物相関図、著者インタビューなどが収録されています。
物語をより深く楽しむための情報が満載です。
書籍情報|単行本と文庫本について

『レーエンデ国物語』シリーズの書籍形態について、2025年4月17日現在の情報をお伝えします。
単行本(ハードカバー)
現在、シリーズ各巻は講談社より単行本(ハードカバー)で刊行されています。第1巻は496ページ、第4巻は600ページと、各巻ともに読み応えのあるボリュームです。
価格は巻によって多少異なりますが、おおむね2,000円前後となっています。幻想的で重厚感のある装丁も、作品の魅力のひとつとして高く評価されています。
全国の書店およびオンラインストアで購入可能です。
文庫版の状況
2025年4月17日現在、『レーエンデ国物語』シリーズの文庫版は発売されていません。また文庫化に関する公式な発表も、現時点ではありません。
これだけ人気のある作品ですので、将来的には文庫化される可能性も考えられます。しかししばらくは、単行本での展開が中心となるでしょう。

文庫化を待っている方は、気長に待つか、まずは単行本で物語を楽しむことを検討してみてください。
電子書籍
各巻とも電子書籍版も配信されていますので、電子書籍リーダーやスマートフォン、タブレットなどでも読むことが可能です。
レーエンデ国物語 あらすじと作品概要まとめ

世代を超える壮大な物語『レーエンデ国物語』。その重厚な世界観と人間ドラマは、あなたを虜にするでしょう。賛否両論あるものの、読む価値は十分にあります。
2025年初夏、ついに完結。今こそ、この傑作ファンタジーの世界へ飛び込み、レーエンデの歴史を目撃しませんか? それでは最後に、ポイントを箇条書きでまとめます。
- 多崎礼による壮大なファンタジー小説シリーズである
- 架空世界の呪われた地「レーエンデ」が舞台である
- 貴族の娘ユリアの成長とレーエンデの争乱を描く物語である(第1巻)
- 英雄ヘクトルや寡黙な射手トリスタンなど魅力的な人物が登場する
- 革命や世代を超える自由への闘いがテーマである
- 2024年本屋大賞5位の人気作品である
- 各巻で時代と主人公が変わり、全5巻で完結予定である
- 時系列順のため、刊行順に読むことが推奨される
- 最終5巻は2025年初夏発売見込みである(2025/4/17時点)
- 対象年齢は幅広く、評価は賛否両論である
- コミカライズが連載中、アニメ化は未定である(2025/4/17時点)
- 単行本で刊行中、文庫版は未発売である(2025/4/17時点)
最後まで見ていただき、ありがとうございました。