
この記事でわかること
✓ 映画の基本的な設定と物語が始まるきっかけ
✓ 主要登場人物と彼らが織りなす人間関係の概要
✓ 結末を含む物語全体の詳細な流れと重要な出来事
✓ 原作との違いや作品が持つテーマ、多様な評価
佐藤正午氏の直木三十五賞受賞作を、実写化した映画『月の満ち欠け』。
そのあらすじは、時を超えた愛と「輪廻転生」が織りなす、切なくも美しい物語です。
愛する人を失う悲しみ、許されない恋、そして「生まれ変わっても、あなたに逢いたい」という魂の願い―。
ここでは物語の全貌から登場人物、様々な評価の真相まで、本作の魅力をネタバレあり・なしで徹底解説。

時を超え、いくつもの人生を巡る魂の旅路の結末を、ぜひご覧ください。
『月の満ち欠け』あらすじと基本情報
この章では、映画『月の満ち欠け』の魅力を余すところなくお伝えするため、以下の構成で物語の核心から関連情報までを網羅的にご紹介します。
気になる項目から読み進めてみてください。
- 映画「月の満ち欠け」とは?作品概要
- ネタバレなしのあらすじ
- 主な登場人物とキャスト
- 原作小説と映画の違いは?それぞれの魅力
- 「月の満ち欠け」はどこで見れる?配信情報
映画「月の満ち欠け」とは?作品概要
映画「月の満ち欠け」は、2017年に第157回直木三十五賞を受賞しました。そして、累計発行部数56万部を超える佐藤正午さんのベストセラー小説を実写化した作品です。
この物語は、単なる純愛小説というだけではありません。生まれ変わりを題材に時空を超えた男女の究極の愛を描いており、ミステリーの要素も巧みに織り込まれています。

映画では愛する人を失った深い悲しみと、それでもなお繋がろうとする魂の結びつきが描かれます。
さらに「輪廻転生」という壮大なテーマを軸に、切なくも美しいラブストーリーとして描き出しています。
豪華キャストとスタッフが集結
主演を務めるのは、幅広い役柄をこなす大泉洋さんです。
物語の鍵を握る女性・正木瑠璃役に有村架純さん。彼女と許されざる恋に落ちる大学生・三角哲彦役に目黒蓮さん(Snow Man)。
主人公の妻・小山内梢役に柴咲コウさんと、まさに豪華な俳優陣が集結しました。
メガホンを取ったのは、『余命1ヶ月の花嫁』や『ストロボ・エッジ』などで知られる廣木隆一監督。リアルな人間描写と美しい映像表現に定評があります。
高い評価と感動の物語
2022年12月2日に日本で公開されると、その感動的なストーリーや俳優たちの熱演が多く観客の心を捉えました。
そして第46回日本アカデミー賞では、優秀作品賞を含む複数の賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
登場人物たちが辿る数奇な運命と、彼らが織りなす愛の奇跡は、観る者に深い感動と余韻を残すことでしょう。
本作はどんな内容?ネタバレなしのあらすじ

物語は主人公である小山内堅が、この上なく幸せだった日常から一転するところから静かに始まります。
彼は愛する妻・梢と、大切な娘・瑠璃を同時に予期せぬ事故で失ってしまうという、あまりにも残酷な悲劇に見舞われます。
仕事も家庭も順風満帆だった日々は音を立てて崩れました。そして堅は、言葉では言い尽くせない深い喪失感と癒えない悲しみを抱えて生きています。
謎の男の出現と驚きの告白
そんな出口の見えない暗闇の中にいた堅の前にある日、三角哲彦と名乗る見知らぬ男がふらりと姿を見せます。
三角は堅にとってまったく面識のない人物であるはずです。しかし堅の娘・瑠璃が、事故に遭ったまさにその日、なぜか自分に会いにこようとしていたという驚きの事実を告げるのです。
さらに彼女はかつて自分が狂おしいほどに愛し、そして突然失った「瑠璃」という名の女性の生まれ変わりだったのではないかと語ります。
それは常識では到底受け入れられないような話ですが、静かに、しかし確信めいた口調で語り始めるのでした。
交差する運命と愛の奇跡
一見、何の接点も持たないように思われた堅の家族に起きた悲劇。そして三角が胸に秘める過去の許されざる恋。
これらのまったく異なる時間軸と人間関係が、「瑠璃」という不思議な存在を介します。そして数十年という、長い歳月を超えて複雑に絡み合い、やがて一本の線として繋がっていくのです。

登場人物たちは、「生まれ変わっても、あなたに逢いたい」という魂からの強い願いを抱いています。
その願いが織りなすであろう、切なくも美しい愛の奇跡の行方を、観る者は息をのんで見守ることでしょう。
主な登場人物とキャスト

本作「月の満ち欠け」には、実力と人気を兼ね備えた俳優陣が演じる、個性的で魅力的な登場人物たちが登場します。彼らが複雑に絡み合いながら物語を紡いでいくのです。
主人公である小山内堅を演じるのは、幅広い表現力で観客を引き込む大泉洋さん。彼は愛する妻と娘を突然失い、深い悲しみと数奇な運命に翻弄される男の心の機微を繊細に体現しています。
その妻・梢役には、確かな存在感で物語に温かみをもたらす柴咲コウさん。そしてふたりの娘である小山内瑠璃役を、フレッシュな魅力を持つ菊池日菜子さんが務めます。
もうひとつの軸となる存在
物語のもう一方の軸となるのが、有村架純さん演じる正木瑠璃です。
彼女はどこか謎めいた雰囲気をまとい、物語全体の鍵を握る数奇な運命を辿る女性として描かれます。
その正木瑠璃と許されない、しかし純粋な恋に落ちる大学生・三角哲彦役には、Snow Manの目黒蓮さん。

目黒さんは一途な想いを胸に秘めた、青年の心の揺れ動きを瑞々しく演じています。
脇を固める実力派キャスト
さらに正木瑠璃の夫であり、物語に不穏な影を落とす正木竜之介役を、田中圭さんがその巧みな演技力で体現。
また小山内瑠璃の親友として彼女を支え、後に重要な役割を果たす緑坂ゆい役を、個性的な演技で作品に彩りを加える伊藤沙莉さんがそれぞれ担当しています。
彼らが物語に一層の深みとリアリティを与えます。
相関図で深まる理解

これらの登場人物たちが、過去と現在、そして「生まれ変わり」というテーマを通じてどのように関わり合っていくのでしょうか。
それぞれの視点からの感情や人間関係が複雑に交錯します。そのため、相関図を参考にすると、一見難解に思える物語の構造や、各キャラクターの秘めた想いがより明確に理解できるはずです。
原作小説と映画の違いは?それぞれの魅力

映画「月の満ち欠け」は、佐藤正午さんの同名小説を原作としています。しかし映像化されるにあたり、物語の構成や登場人物の扱いにいくつかの変更点が見られます。
これらの違いを理解することで、小説と映画、それぞれの媒体が持つ独自の魅力をより深く味わうことができるでしょう。

まず大きな違いとして挙げられるのは、物語のキーパーソンである「瑠璃」の生まれ変わりの回数です。
原作では、映画よりも多い回数の転生が描かれています。それに伴って映画には登場しない「小沼希美」という重要なキャラクターが存在します。
この変更により、例えば正木竜之介というキャラクターの背景や行動原理の一部が、映画版では異なる形で描かれることになりました。
また物語全体がカバーする時間の長さも、原作の方が若干長くなっています。
原作ならではの深みと文学的要素
小説の魅力は、何といっても登場人物たちの細やかな心理描写や、彼らが抱える背景にあります。そして原作ならではの豊富なエピソードも魅力です。
文字を通してじっくりと物語を追体験することで、各キャラクターの感情の機微や行動の動機を深く理解できます。そして物語の世界観に没入することができるでしょう。
例えば、原作では三角哲彦が瑠璃に贈った短歌など、文学的な要素がふたりの関係性を象徴的に示しています。しかしこういった細部が、画では省略されている場合もあります。
映画ならではの映像美と感動
一方の映画の魅力は、廣木隆一監督が手腕を振るった美しい映像世界にあります。
また実力派俳優たちの、繊細かつ情熱的な演技によって、物語がダイレクトに感情へと訴えかけてくる点も見逃せません。

特に、ジョン・レノンの名曲「Woman」をはじめとする劇中音楽は、物語の感動を一層高めます。
そして、登場人物たちの心情に寄り添うように響くでしょう。
映画では複雑な原作の要素を整理し、より純粋な愛の物語として焦点を当てている側面もあります。観客が感情移入しやすいように工夫された演出も見受けられるのです。
両者を比較する楽しみ
このように原作小説と映画では、表現方法や物語の焦点の当て方に違いがあります。
小説を読んだ後に映画を観る、あるいは映画を観た後に小説を読むことで、それぞれの媒体の良さを再発見できるでしょう。
また物語や登場人物に対する、新たな解釈が生まれたりするかもしれません。
両者を比較検討することは、この深遠な愛の物語を多角的に楽しむためのひとつの方法といえます。
「月の満ち欠け」はどこで見れる?配信情報

映画「月の満ち欠け」は、劇場公開後、いくつかの動画配信サービスで視聴することが可能です。
2025年4月の情報によりますと、Prime Video、では見放題、レンタル、購入のいずれかの方法で視聴できます。
DMM TVやRakuten TV、TELASAではレンタルで楽しむことができる状況です。またLeminoやJ:COM STREAMでは見放題配信が行われています。
視聴前の注意点
ただし配信状況は時期によって変動することがあります。そのため、視聴前には各配信サービスの公式サイトで最新の情報をご確認いただくことをオススメします。
無料トライアル期間などを設けているサービスもありますので、上手に活用するのも良いでしょう。
『月の満ち欠け』あらすじ深掘りと気になる評価

ここからは物語の核心にさらに踏み込みます。
映画『月の満ち欠け』の結末を含む詳細なあらすじ、登場人物たちの運命の真相、そして作品に対する様々な評価や考察を徹底的にご紹介。
ネタバレを避けたい方は、ここで一度立ち止まることをご検討ください。物語の深層を知りたい方は、ぜひこのままお進みください。
詳細なあらすじと結末|ネタバレ注意
この物語の中心には、「瑠璃」という名をもつひとりの女性の、時を超え、いくつもの人生を巡る魂の旅路があります。
すべての始まりは、ごく普通の大学生であった三角哲彦と、夫からの心ない仕打ちに静かに心を痛めていた人妻・正木瑠璃との運命的な出会いでした。

ふたりは瞬く間に互いの孤独を埋めるように強く惹かれ合いますが、決して許されることのない恋でした。
最初の悲劇|瑠璃の死と残された想い
瑠璃は夫・正木竜之介の常軌を逸した束縛と、暴力から逃れようとします。
そして三角と共に生きる未来を夢見ますが、その願いも虚しく、竜之介の執拗な追跡のさなか、悲しくも踏切事故でその短い生涯を閉じてしまうのです。
しかし彼女の三角への強い想い、そして満たされなかった生への渇望は、魂となってこの世に留まりました。
二度目の生|小山内瑠璃としての記憶と葛藤
瑠璃の魂は次に、温かい家庭を築いていた小山内堅と妻・梢の間に生まれた娘、小山内瑠璃として新たな生を受けます。
彼女は7歳のときに原因不明の高熱を出しました。それを境に、まるで堰を切ったように前世である正木瑠璃としての鮮明な記憶を思い出すのです。

幸せな現在の家族と、決して忘れることのできない前世の恋人との間で揺れ動きます。
それでも成長した小山内瑠璃は、前世で愛した三角哲彦にもう一度会いたいという抑えきれない想いを募らせていきます。
繰り返される悲劇|竜之介の執着と再びの死
ところがその切実な計画を知ったのは、あろうことか前世で彼女を追い詰めた夫、正木竜之介でした。
竜之介は小山内瑠璃こそ、自分の元妻の生まれ変わりだと狂信します。そして再び、異常なまでの執着心で彼女を追跡し始めるのです。
母・梢と共に、ただ純粋に三角のもとへ向かおうとした小山内瑠璃。彼女は竜之介の危険な追跡を振り切ろうとする中で、再び交通事故に巻き込まれます。
そして母と共に、またしても志半ばで帰らぬ人となってしまうのでした。
三度目の生と感動の再会、そして梢の魂
それでもなお、瑠璃の魂の旅は終わりませんでした。
彼女の強い想いは三度目の生として、かつての親友であった緑坂ゆいの娘、「るり」としてこの世に生を受けさせます。
数奇な運命に導かれるように、そして長い長い年月を経てようやく成長した三角哲彦のもとへ、緑坂るりは辿り着くのです。
そこでふたりは言葉では言い表せないほどの感情と共に、ついに感動的な再会を果たすことになります。

映画の結末はそれだけではありません。
さらに小山内堅の亡き妻・梢もまた、彼の介護士の娘・みずきとしてすぐそばに生まれ変わっていたことが強く示唆されるのです。
このように愛する人との再会を強く、深く願い続ける心。
それが輪廻転生という奇跡を引き起こし、それぞれの人生が複雑に、そして切なく絡み合いながらも、目には見えない愛の糸でどこかで繋がり続けていく。
そんな壮大で心揺さぶられる愛の物語が描かれています。
瑠璃はなぜ死んだのか? その理由と背景を深掘り

作中で「瑠璃」という名を持つ魂は、悲しいことに二度、その生を道半ばで終えることになります。それぞれの死には痛ましい理由と、それを取り巻く逃れられない複雑な背景が存在します。
一度目の死|正木瑠璃の自由への渇望と悲劇
一度目の死、それは正木瑠璃としてのあまりにも短い生涯の最期です。彼女の日常は、夫である正木竜之介からの言葉や身体への耐え難い暴力、そして精神的な束縛によって深く傷つけられていました。
そんな暗闇の中で出会った大学生・三角哲彦の純粋な想いは、瑠璃にとって唯一の光でした。そしてそこから逃れて、自由な空の下で生きたいという切実な願いを抱かせたのです。
愛する三角のもとへ向かうことを決意し、危険を顧みず家を飛び出した瑠璃。しかしその背後からは、夫・竜之介の執拗な追跡が迫っていました。

追い詰められた瑠璃は、焦りと恐怖のなかで踏切事故という形で非業の死を遂げてしまいます。
これは瑠璃自身のささやかな自由への渇望が、竜之介の異常なまでの歪んだ支配欲によって無残にも踏みにじられた結果といえるでしょう。あまりにも悲しい結末でした。
二度目の死|小山内瑠璃の純粋な願いと竜之介の狂気
二度目の死は、小山内瑠璃として生を受けた後のことです。
7歳で前世の記憶を取り戻して以来、彼女の心の中には常に前世で愛した三角哲彦への強い想いがありました。
そしてもう一度彼に会いたい、という願いが燃え続けていたのです。その純粋な想いが瑠璃を再び行動へと駆り立てます。
しかしこの純粋な願いを、前世で夫であった正木竜之介が妨害しようとまたもや立ちはだかります。
それはまるで悪夢の再来のように、異常なまでの執着心をもってのことでした。
竜之介は、小山内瑠璃こそが亡き妻の生まれ変わりであると狂信し、再び彼女を自分のものにしようと執拗に追いかけ始めます。
その結果、母・梢がハンドルを握り、ただひたすらに三角のもとへ向かおうとしていた小山内瑠璃の乗る車。その車は、竜之介の常軌を逸した危険な追跡を受けます。

激しいカーチェイスの末、母娘は大型トラックとの衝突事故に巻き込まれてしまいました。
瑠璃は二度目の人生も、そして母・梢も共に、その尊い命を奪われてしまうのです。
共通する死の背景|純粋な想いと歪んだ執着
どちらの死も、瑠璃自身の「もう一度、あの人に会いたい」という、誰にも止められないほど純粋で強い想いが全ての始まりでした。
しかしその清らかな願いは周囲の人々、特に正木竜之介の身勝手で歪んだ愛情や、狂気ともいえるほどの執着によって阻まれます。そしてあまりにも、悲劇的な結末へと繋がってしまったといえるでしょう。
彼女の魂は何度もその歩みを止められながらも、なお愛する人を目指し続けるのです。
「気持ち悪い」「怖い」という感想の背景
映画「月の満ち欠け」は、多くの観客に深い感動を与えています。
一方で「気持ち悪い」、あるいは「怖い」といった感想を抱く人も少なくありません。ある種の拒否反応にも似た否定的な感想です。
このような感想が生まれる背景には、主に物語の核となる「生まれ変わり」というテーマが持つ独特な描写が影響していると考えられます。
また一部の登場人物が見せる常軌を逸した行動、そしてそれらが観る人それぞれの倫理観や、人間関係に対する価値観に強く触れる点も要因でしょう。
生まれ変わりというテーマの特異性と親の視点
例えば、自分の愛する子供が、実はまったく別の人間の生まれ変わりであるという設定。
さらに前世の記憶や人格、さらには恋愛感情までをも持ち合わせているというのは、特に親の視点からすると非常に複雑です。
言葉にし難い感情やある種の根源的な恐怖を覚えるかもしれません。
物語の中で、まだ幼い7歳の小山内瑠璃や緑坂るりが、まるで大人のように前世の恋人への強い執着を示したり、過去の出来事を克明に語ったりする場面があります。
このような描写は、子供の純粋さとの間に大きなギャップを生み出します。
その非日常的な光景から、観る人によっては不気味さや、ファンタジーを超えたホラー的な印象を強く受けることがあるのです。
瑠璃の行動に潜む執念とストーカー的要素
また主人公のひとりである瑠璃が、愛する三角哲彦に再会したいという一途な想いから何度も生まれ変わりを繰り返す姿。
これは純愛と紙一重の「執念深さ」や、見方によっては「ストーカー的な要素」として映る可能性も指摘されています。
彼女の行動は、愛する人に会いたいという純粋な動機に基づいているとしても、その過程で周囲の人々の人生に大きな影響を与えます。

時には悲劇を引き起こす要因ともなり得るため、手放しで肯定しづらい側面があるのです。
正木竜之介という存在が与える強烈な負の印象
さらに物語において強烈な負の印象を残すのが、正木瑠璃の夫である正木竜之介の存在です。
竜之介が示す妻への異常なまでの執着心、コントロールしようとする暴力的な言動。
そして生まれ変わった瑠璃に対してまで見せる執拗な態度は、多くの観客に生理的な嫌悪感や拭いがたい恐怖心を抱かせます。
彼の行動は、単なる物語上の悪役という範疇を超えているかもしれません。

観る人のトラウマを刺激したり、倫理的な許容範囲を試したりするほど強烈なのです。
これらの要素が、美しいラブストーリーを期待していた観客にとっては、予想外の不快感や物語への没入を妨げる違和感に繋がることがあるようです。
感想・評価まとめ|賛否両論の意見

映画「月の満ち欠け」に対する感想や評価は、観る人の感性や人生経験によって大きく異なります。まさに賛否両論といえる状況でしょう。

「非常に感動した」「涙なしには見られなかった」といった称賛の声が多く寄せられています。
その一方で、「物語の展開についていけなかった」「つまらないと感じた」という意見も存在します。
また前述のように、「気持ち悪い」「ホラーのようだ」といった否定的な感想も確かに見受けられます。
感動のポイントと称賛の声
感動のポイントとしては、時を超えても変わらない愛の深さが挙げられます。
特に瑠璃の三角に対する一途な想いや、小山内堅夫妻の家族愛。そしてそれを体現した
- 大泉洋さん
- 有村架純さん
- 目黒蓮さん
- 柴咲コウさん…など
豪華キャスト陣の熱のこもった演技などが高く評価されています。
また美しい映像や心に残る音楽も、作品の魅力を高めている要素といえるでしょう。
否定的な意見とその理由
しかしながら、物語の根幹をなす「生まれ変わり」というファンタジックな設定自体にリアリティを感じられない場合があります。
また登場人物たちの行動原理に、共感できなかったりする場合、物語への没入が難しくなるようです。
例えば、正木瑠璃と三角哲彦の不倫関係や、正木竜之介のDV、ストーカーまがいの行動などが挙げられるでしょう。
気まずさを感じるという声も
さらに三角哲彦と正木瑠璃のラブシーンの描写については、物語の展開上必要なものではあるかもしれません。
しかし誰と一緒に鑑賞するかによっては、「気まずい」と感じたという声も見受けられました。
このように本作は、単なる美しいラブストーリーとしてだけではなく、愛の執念や人間の業といった重いテーマも内包しています。
それが観る人によって異なる受け止め方を生み、評価が大きく分かれる一因となっていると考えられます。
『月の満ち欠け』あらすじと重要なポイントまとめ

映画『月の満ち欠け』が描いたのは、「輪廻転生」を経てなお途切れない、魂の強い絆と愛の物語。
そのあらすじと深いテーマ性は、観る者に大きな感動と問いを投げかけます。時を超えた愛の奇跡を、ぜひ心に刻んでください。
それでは最後にポイントを箇条書きでまとめます。
- 佐藤正午の直木賞受賞ベストセラー小説が原作である
- 大泉洋主演、廣木隆一監督により2022年に実写映画化された
- 輪廻転生と時を超えた愛を描く壮大で切ないラブストーリーである
- 主人公・小山内堅が妻子を事故で失う悲劇から物語は始まる
- 堅の前に現れた三角哲彦が、娘の「生まれ変わり」を示唆する
- 「瑠璃」という名の女性が、物語の複数の時間軸を繋ぐ鍵となる
- 有村架純、目黒蓮、柴咲コウなど実力派俳優が主要な役を演じる
- 原作と映画では、瑠璃の転生回数や登場人物に一部違いが見られる
- 映画版ではジョン・レノンの楽曲が印象的に使用されている
- 瑠璃の魂は数度の転生を経て、愛する三角哲彦との再会を目指す
- 瑠璃は作中で二度死を迎えるが、その背景には夫・正木竜之介の歪んだ執着がある
- 小山内の妻・梢もまた、別の人物に生まれ変わっていたことが示唆される
- 観客の評価は感動の声が多い一方、「怖い」「気持ち悪い」といった賛否両論の声も存在する
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