映画『検察側の罪人』あらすじをネタバレ解説!犯人とラストの謎がわかる

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映画『検察側の罪人』あらすじをネタバレ解説!犯人とラストの謎がわかる

この記事でわかること

映画のネタバレを含む詳細なあらすじと物語の全体像

主要な登場人物たちの役割と複雑な人間関係

物語の結末や難解な演出に込められたテーマや解釈

映画版が原作小説からどう変更されたかの具体的な違い

木村拓哉さんと二宮和也さんの初共演で話題を呼んだ映画『検察側の罪人』。

もしあなたが、心から尊敬する上司が私怨から罪なき人間を犯人に仕立て上げようとしたら、どうしますか?

本作はまさにその究極の問いを突きつけ、それぞれの正義がぶつかり合う、観る者の価値観を揺さぶる社会派ミステリーです。

ここでは『検察側の罪人』のあらすじをネタバレありで徹底解説。

ヨミト
ヨミト

難解な結末の考察や原作との違い、視聴者の評価まで、本作のすべてがわかる内容になっています。

映画『検察側の罪人』のあらすじを徹底解説

まずは本記事で解説するポイントの全体像をみていきましょう。この章では、次の内容を取り上げます。

  • 『検察側の罪人』の基本情報
  • 主要登場人物とキャスト・相関図【諏訪部も解説】
  • ネタバレなしの大まかなあらすじ
  • あらすじを起承転結で解説【ネタバレ】
  • 原作小説との違いは?なぜ映画はバッドエンドに?
  • 本作はひどいのか? 視聴者の感想・評価まとめ

『検察側の罪人』の基本情報

原作と豪華キャスト

映画『検察側の罪人』は、『犯人に告ぐ』などで知られる人気作家・雫井脩介さんのベストセラー小説が原作です。本作は社会派ミステリー作品に分類されます。

原作は「週刊文春ミステリーベスト10」で第4位に選ばれるなど、高く評価されています。

2018年8月24日に公開された本作は、木村拓哉さんと二宮和也さんという二大スターの初共演が実現しました。そのことで公開前から大きな注目を集めています。

監督・脚本は『日本のいちばん長い日』などで知られる原田眞人監督が担当しました。情報量の多いスピーディーなセリフ回しといった、監督独自の手法で物語が描かれます。

作品のテーマと評価

物語は単なる犯人探しのサスペンスではありません。「時効」や「冤罪」といった司法制度の問題に鋭く切り込みながら、「本当の正義とは何か」を観る者に問いかけます。

興行収入は約30億円を記録するヒットとなりました。作中での熱演が評価された二宮和也さんは、第43回報知映画賞や第42回日本アカデミー賞で優秀助演男優賞を受賞しています。

主要登場人物とキャスト・相関図【諏訪部も解説】

本作の物語は、ふたりの検事を軸に進みます。それぞれが信じる「正義」がぶつかり合う人間ドラマが、大きな見どころです。

それぞれの正義を掲げる検事

最上 毅(もがみ たけし) / 演:木村拓哉

東京地検のエリート検事です。かつては沖野の教官も務めた尊敬される存在でした。しかし、過去の事件の容疑者・松倉と再会したことで私情に駆られ、冷静さを失い法の一線を超えていきます。

沖野 啓一郎(おきの けいいちろう) / 演:二宮和也

最上を師と仰ぐ、正義感の強い若手検事です。当初は忠実に指示に従いますが、次第に最上のやり方に疑問を抱きます。そして、自らの正義を貫くために対立の道を選びました。作中での松倉との鬼気迫る取調べシーンは必見です。

事件に関わる重要人物

橘 沙穂(たちばな さほ) / 演:吉高由里子

沖野の担当事務官で、彼を公私にわたって支える存在です。映画版では、検察内部を告発する本を書くために潜入しているという、原作にはない裏設定が加えられています。

松倉 重生(まつくら しげお) / 演:酒向芳

老夫婦殺害事件と、最上が関わった過去の事件の両方で名前が挙がる重要容疑者です。口を「パッ」と鳴らす不気味な癖など、酒向芳さんの怪演が光り、観る者に強烈な印象を残します。

諏訪部 利成(すわべ としなり) / 演:松重豊

銃や情報など、あらゆるものを調達する闇社会のブローカーです。映画では、彼の父親と最上の祖父が戦争(インパール作戦)の生還者という繋がりがあります。その縁から最上の計画に深く協力することになりました。

物語の相関図

物語の相関を簡潔にまとめると、「師弟関係にあった最上と沖野が、容疑者・松倉を巡ってそれぞれの正義をかけて対立する」というのが基本構図です。橘は沖野を支え、最上は目的達成のために闇ブローカーの諏訪部と手を組む、という関係性になっています。

ネタバレなしの大まかなあらすじ

単語帳に「あらすじ」の文字が印字

物語は東京地検のエリート検事・最上と、彼を師と仰ぐ若手検事・沖野の対立を描くサスペンスです。

ふたりは都内で発生した老夫婦殺害事件を担当しますが、そこから運命の歯車が狂い始めます。

過去の事件が現在を揺るがす

容疑者リストに浮上したのは、松倉というひとりの男でした。

彼はかつて最上が大切に思っていた少女が殺害され、未解決のまま時効を迎えた事件の最有力容疑者だったのです。この再会が、最上の心に眠っていた憎しみを呼び覚まします。

ヨミト
ヨミト

前の事件で取り逃がした松倉を、今度こそ法で裁こうと執着する最上の捜査は、次第に常軌を逸していきます。

その姿に、尊敬していたはずの上司に対する疑念を、沖野は抑えきれなくなっていくのでした。

一線を越えようとする師と法を守ろうとする弟子。ふたりの検事が信じる「正義」がぶつかり合うとき、本当の「罪人」は誰なのかが問われます。

あらすじを起承転結で解説【ネタバレ】

『検察側の罪人』イメージ画像
イメージ|あらすじノオト

※ ここでは物語の核心に触れるため、未見の方はご注意ください。

起|事件の発生と因縁の再会

物語は若手検事・沖野が尊敬する最上の指導のもと、老夫婦殺害事件を担当するところから始まります。

しかし容疑者リストに浮上した男・松倉の存在が、事態を思わぬ方向へ進ませます。彼は最上が個人的に強い憎しみを抱く、時効となった過去の事件の容疑者だったのです。

承|暴走する正義と深まる疑念

最上は松倉への憎しみから、彼を犯人とする筋書きに固執し始めます。

沖野は指示どおり厳しい取調べを行いますが、松倉は今回の事件への関与だけは決して認めません。

やがて弓岡という別の有力な容疑者が現れたことで、最上の計画は窮地に立たされます。

転|一線を超える検事

ここで物語は決定的な一線を越えます。

自らの正義を貫くため、最上は真犯人と思われる弓岡を自らの手で殺害します。そして証拠を捏造して松倉を犯人に仕立て上げました。まさに「検察側の罪人」が誕生する瞬間です。

師の暴走を確信した沖野は、検事の職を辞して最上に立ち向かうことを決意しました。

結|ふたりの正義が迎える結末

検察を離れた沖野は、最上の描いた筋書きを崩すために行動を開始します。

ヨミト
ヨミト

事件の真相が二転三転するなか、関係者たちの運命は衝撃的な結末を迎えました。

物語は最上と沖野の最後の対決へと向かいます。そこでふたりが導き出した答えとは何だったのか。観る者の心を揺さぶるラストシーンの結末は、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

本作の視聴方法は「『検察側の罪人』を視聴・後続する方法」の欄で取り上げます。

原作小説との違いは? なぜ映画はバッドエンドに?

木のコースターに「比較」の文字とスマホなどの画像

映画版は原作小説の大筋をなぞりながらも、後半の展開や登場人物の設定に大きな変更が加えられています。

原作とはまったく異なる結末が、観る人に「後味が悪い」「スッキリしない」といった印象を、特に与える要因となっているようです。

結末の大きな相違点

もっとも大きな違いは、主人公・最上と容疑者・松倉の結末です。

原作では最上の一連の行動に対して、最終的に法的な決着がはっきりと示されます。その一方で、松倉は法の下では罰せられることなく終わるという、理不尽さが強く残る結末でした。

しかし映画では、最上のその後の処遇については明確に描かれず、観客の解釈に委ねられる形になっています。

そして松倉には法とは別の、ある種の私的な制裁ともいえる衝撃的な結末が訪れるのです。

映画独自の追加要素

沖野を支える事務官・橘沙穂のキャラクター設定も大きく異なります。

原作では沖野の良き協力者として描かれますが、映画では人物像が変更されました。検察内部の告発本を執筆するために潜入したという、裏の顔を持つ人物になっています。

さらに映画独自の要素として、「インパール作戦」といった戦争の歴史が背景に加えられました。これにより監督の社会的なメッセージが色濃く反映されています。

なぜ映画は「バッドエンド」なのか

映画が原作とは違う「バッドエンド」とも言える結末を迎えるのは、より強い問題提起を観客に投げかけるためでしょう。

原作の結末では最終的に、司法制度という枠組みの中でひとつの答えが示されます。そこでは「法を犯した者はいずれ裁かれる」という、ある種の秩序が保たれる形で物語が区切りをつけます。

しかし映画では、そのような法的な決着は訪れません。

罪を犯した人物の行く末は曖昧にされ、一方で法では裁ききれなかった人物には、法とは別の力による突然の結末がもたらされました。

この描き方により、「もし公的な正義が機能しないとき、本当の決着はどこでつけられるのか」という問いが生まれます。

それはよりほろ苦く、観る者の心に突き刺さるような問いかけとなっているのです。

本作はひどいのか? 視聴者の感想・評価まとめ

「評価」という文字を虫眼鏡で見ている

「ひどい」という一言では片付けられない、評価が大きく分かれる作品というのが実際のところです。

鑑賞後、活発な議論を呼び起こすタイプの映画といえるでしょう。

手放しで絶賛する声と、物語の作りに厳しい意見を述べる声の両方が見られます。

称賛の声|俳優陣の熱演

良い評価としては、まず俳優陣の卓越した演技を挙げる声が圧倒的に多いです。

二宮和也さん演じる沖野が容疑者・松倉を取り調べる長尺のシーンは、特に本作のハイライトとして語られています。

静かな立ち上がりから相手を挑発し、最後には罵詈雑言を浴びせて精神的に追い詰めていく演技は「鬼気迫る」と絶賛されました。

木村拓哉さんについても、これまでのヒーロー的な役柄とは一線を画す役どころが新鮮だった、という声があります。

正義のために一線を越えてしまう冷徹なエリート検事を演じ、彼の新たな一面が見られたという点で高く評価されています。

さらに脇を固める俳優陣、とりわけ松倉役を演じた酒向芳さんの「怪演」も注目されました。

観る者に生理的な嫌悪感を抱かせるほどの強烈な印象を残し、物語の緊張感を大いに高めています。

批判的な意見|難解なストーリー

一方で批判的な感想も少なくありません。

その中でもっとも多く聞かれるのが、「一度観ただけではストーリーがわかりにくい」という点です。

原田眞人監督特有の、登場人物たちが早口で話すセリフ回しが特徴的です。それに加え、原作にはない映画独自の要素が数多く盛り込まれています。

最上と諏訪部を繋ぐ背景としての「インパール作戦」。最上の友人・丹野議員を巡る政治思想団体のエピソード。

そして異様な雰囲気の葬儀シーンなどは、物語の主軸である検事同士の対立から話が逸れているように感じられます。

そのため、「詰め込みすぎで散漫になっている」と感じた観客も多かったようです。

加えて、原作の結末とは大きく異なる、スッキリしない終わり方にも戸惑いの声が見られます。

正義と悪の対決に明確な決着がつくわけではなく、多くの謎が残されたまま幕を閉じます。

ヨミト
ヨミト

カタルシス(物語の最後に得られる解放感)を求める方にとっては、大きな不満が残るかもしれません。

観る人を選ぶ挑戦的な作品

以上のように、本作は観る人の好みや、映画に何を求めるかによって評価が大きく変わる映画といえます。

俳優陣の火花が散るような熱演を堪能したい方には強くおすすめできます。しかし物語には、賛否両論ある難解な部分も含まれていることは、知っておくとよいでしょう。

『検察側の罪人』あらすじと結末の謎を考察

ここからは、映画が残した様々な謎や難解なポイントについて考察していきます。取り上げる内容は次のとおりです。

  • 丹野はなぜ死んだのか?自殺か他殺か?
  • 「葬式の踊り」「引くな引くな」の意図は?
  • 松倉はなぜ殺された?実行犯は誰?黒幕は最上?
  • 最後の沖野の「叫び」と「ハーモニ- カ」の意味するもの
  • 『検察側の罪人』を視聴・後続する方法
  • よくある質問(FAQ)

丹野はなぜ死んだのか?自殺か他殺か?

丹野の死は「自殺」

最上の親友である政治家・丹野和樹の死は、他殺ではなく「自殺」です。彼は自身が関わる汚職事件の捜査が進む中、逮捕を目前にして、滞在先のホテルから自ら身を投げました。

自殺に至った背景

丹野が死を選んだ背景には、単なる汚職事件に留まらない根深い問題があります。

彼は次期総理候補であった義父・高島が進める、日本の軍国化ともいえる危険な思想を止めようとしていました。そのための切り札として、不正献金の証拠をマスコミに託したのです。

しかし高島の権力を恐れたマスコミは彼を裏切り、逆に丹野ひとりが罪を被るように世論を操作してしまいました。

政治的な正義を追求した結果、味方は誰もいなくなり、信じていた報道機関にまで裏切られてしまったのです。

家庭でも過激な思想を持つ妻と対立しており、完全に孤立無援の状態でした。彼の自殺は、このどうにもならない状況への抗議であり、絶望の果ての選択だったといえます。

作中で他殺を示唆する描写は一切ありません。

最上への影響

この親友の理不尽な死は、最上の心に決定的な影響を与えました。

「正攻法では、巨大な権力や悪には勝てない」という無力感を痛感させます。そして彼が法の一線を越えてでも、自らの「正義」を執行しようとする、過激な行動の引き金となったのです。

「葬式の踊り」「引くな引くな」の意図は?

『検察側の罪人』イメージ画像2
イメージ|あらすじノオト

これらはいずれも原作小説にはない、映画独自の演出です。

一見すると物語の筋とは関係ないように思えるため、多くの観客を戸惑わせたシーンでもあります。

しかしこれらは、原田眞人監督が作品に込めた社会的なメッセージを読み解く上で、非常に重要な意味を持つ場面と言われています。

「葬式の踊り」に込められた意味

丹野の葬儀で突然始まる、白塗りの集団による異様な踊りは、彼の妻が深く関わっていた過激な政治思想団体を象徴しています。

厳粛であるべき葬儀の場で、感情のこもらない奇妙な舞が繰り広げられる光景は、常識や人の心が通じない不気味な組織であることを視覚的に表現しています。

この団体は、作中で「日本の戦前回帰」を目指す極右的な思想を持つと示唆されています。

丹野が命を懸けて止めようとしたものが、このような常軌を逸した団体であったことを見せるのです。

これにより丹野の戦いの相手がいかに根深く、恐ろしいものであったかを観客に印象付けています。

このシーンは、単なるミステリーに留まらず、現代社会に潜む危険な思想への警鐘という、映画のもう一つのテーマを際立たせるための演出と考えられます。

「引くな引くな」が示す最上の内面

最上が検察庁で、後輩の女性検事にすれ違いざま「引くな」と三度繰り返す場面は、彼の複雑な内面を浮き彫りにする重要なシーンです。

このとき女性検事は、丹野を死に追いやった大物政治家・高島に近い人物が起こした性犯罪を立件しようとして、上司から圧力をかけられていました。

つまり彼女は、「権力に屈せず正義を貫こう」としていたのです。

歪んだ正義感の表れ

最上は自身が、松倉を陥れるために法を捻じ曲げているまさにその一方で、権力と戦う後輩の姿に、かつての自分が持っていたであろう純粋な正義感を重ね、思わず励ましてしまいます。

この行動は、最上が単なる私怨に駆られた悪人ではないことを示しています。

「法では裁けない巨悪」と「法から逃れた卑劣な犯罪者」の両方を憎む、歪んだ正義感を持つ人物なのです。

最上がこれから犯す罪の深さと、心の奥底に残る正義感との矛盾を同時に描くことで、「検察側の罪人」というタイトルの持つ奥行きを表現しています。

このように、わかりにくいとされるシーンも、監督が投げかける「正義とは何か」という問いを多角的に描くための、計算された演出だったといえるでしょう。

松倉はなぜ殺された? 実行犯は誰?

『検察側の罪人』イメージ画像3
イメージ|あらすじノオト

計画された「事故死」

無罪を勝ち取り釈放された松倉ですが、その直後、不可解な死を迎えます。

祝賀会で沖野と口論になって店を飛び出したところを、高齢者が運転する車にはねられました。これは単なる事故ではなく、周到に計画された殺害でした。

実行したのは、闇ブローカー・諏訪部の組織です。

現場には諏訪部の右腕である「運び屋の女」が姿を見せており、作戦成功を意味する暗号「トラ・トラ・トラ」と呟いていることから、彼女が手配した計画であったことがわかります。

黒幕の正体は謎のまま

しかしこの殺害を誰が依頼したのか、その黒幕については映画の中で明確な答えが出されていません。そのため黒幕が誰なのかについては、観る人によって解釈がわかれています。

ひとつは最上が黒幕であるという説です。彼は諏訪部に「人殺しは依頼しない」と語ってはいますが、

それは「事故」という形での殺害を黙認した、という抜け道のある言葉とも解釈できます。事実、後に沖野から詰問された際も、最上は否定しませんでした。

考えられる黒幕の正体

もうひとつは諏訪部が最上の心中を察し、独断で動いたという説です。

諏訪部は最上に心酔しており、法で裁けなかった松倉を「処理」することが最上のためになると判断したのかもしれません。

さらに殺された老夫婦の息子であるヤクザの千鳥が依頼した、という可能性も考えられます。

以上のように、本作は黒幕を特定しないまま物語を終えます。

法の手を離れたところで「罰」が下されるという皮肉な結末を見せることで、本当の正義はどこにあるのかという重い問いを、観る者に投げかけているのです。

最後の沖野の「叫び」と「ハーモニカ」の意味するもの

イメージ|あらすじノオト

映画のラストは、沖野の絶叫と最上が手にするハーモニカという、観る者の解釈に委ねられる象徴的なシーンで締めくくられます。

沖野の「叫び」が意味するもの

沖野の叫びは、単なる怒りや悲しみではありません。それは自らが信じてきた「正義」そのものが根底から揺らいでしまったことへの、魂の叫びです。

法とは何か、悪とは何か、そして自分が目指すべき道はどこにあるのか。すべての答えを失った彼の葛藤が、あの叫びに集約されています。

最上の「ハーモニカ」が意味するもの

それとは対照的に、最上が静かに手にするハーモニカは、彼がすでに自分の中の「答え」を見つけてしまったことを示唆します。

最上のその落ち着いた姿は、自らの行いを正当化し、迷いを一切持たない強い意志の表れとも読み取れます。

ヨミト
ヨミト

崩れ落ち、叫ぶ男と、静かに佇む男。このあまりにも対照的なふたりの姿が、本作の結末となります。

彼らが迎えた運命、そしてこのラストシーンが本当に意味するものとは何なのか。その答えは、ぜひあなたの目で見届けてください。

『検察側の罪人』を視聴・後続する方法

視聴方法のイメージ画像

『検察側の罪人』の世界をさらに楽しむためには、いくつかの方法があります。映画本編の視聴はもちろん、物語の背景をより深く知ることができる原作小説もおすすめです。

映画を視聴する方法

現在、もっとも手軽なのは動画配信サービスの利用です。

2025年9月時点では、U-NEXTやAmazonプライムビデオなどで見放題またはレンタル配信されています。

ただし配信状況は変わることがあるため、詳細は各サービスの公式サイトをご確認ください。

また高画質で楽しみたい方や、特典映像に興味がある方はDVDやBlu-rayも発売されています。

購入だけでなく、宅配レンタルサービスなどを利用する選択肢もあります。

原作小説で物語を深く知る

映画を観て「結末の解釈が難しい」「登場人物の行動にもっと説得力が欲しい」と感じる方もいるかもしれません。

そのような方には、雫井脩介さんによる原作小説を読むことを強くおすすめします。

映画版では、監督独自の解釈や社会的なテーマが加えられていますが、原作はより検事たちの心理描写に焦点を当てたミステリーです。

映画では曖昧に描かれた最上の結末がはっきりと示されているため、物語の決着をしっかりと見届けたい方は納得できるでしょう。

上下巻で構成されており、電子書籍でも手軽に読むことができます。

よくある質問(FAQ)

「Q&A」と印字された木のブロック

Q1. 結局、老夫婦殺害事件の真犯人は誰?

老夫婦殺害事件の真犯人は、松倉ではなく弓岡嗣郎(大倉孝二)です。弓岡は飲み屋で犯行を自慢げに話しており、後に彼の共犯者も自首したため、松倉の冤罪が証明されました。

Q2. 最後の沖野の叫びはどういう意味ですか?

前述のどおり、沖野の最後の叫びは、無力感や絶望、そして正義とは何か分からなくなった心の葛藤を表しています。

尊敬していた最上が罪を犯したにもかかわらず法で裁けず、自分の信じていたものが崩れ去ったことへの、やり場のない怒りが込められていると解釈できます。

Q3. 諏訪部とは何者ですか?

諏訪部利成(松重豊)は、裏社会で活動する謎の多いブローカーです。

拳銃の手配から情報操作まで、法を無視した依頼を請け負います。

映画では最上の祖父と諏訪部の父親が、戦争(インパール作戦)からの生還者という繋がりがあり、それがきっかけで最上に協力することになります。

映画『検察側の罪人』のあらすじと要点がわかる総まとめ

黒板に「まとめ」の文字

俳優陣の鬼気迫る演技と、観る者に「正義とは何か」を鋭く問いかける難解なストーリー。単純な答えがないからこそ、観終わった後も心に残り、誰かと語り合いたくなる魅力を持つ作品です。

それでは最後にポイントを箇条書きでまとめます。

  • 雫井脩介の人気ミステリー小説が原作である
  • 監督は独自の演出で知られる原田眞人
  • 木村拓哉と二宮和也の初共演が話題となった作品
  • 主人公は私情から一線を越えるエリート検事・最上
  • 最上を尊敬しつつも彼の正義に疑問を抱く若手検事・沖野
  • 物語の軸は、老夫婦殺害事件と時効になった過去の事件
  • 最上は憎むべき容疑者・松倉を犯人に仕立てようと画策する
  • 計画の障害となる真犯人・弓岡を最上は自らの手で殺害する
  • 師の暴走を確信した沖野は検事を辞め、最上と対立する
  • 映画の結末では最上は逮捕されず、松倉は釈放直後に殺害される
  • 原作小説とは結末や登場人物の設定が大きく異なる
  • 映画独自の要素としてインパール作戦や政治思想団体が描かれる
  • キャストの演技、特に二宮和也の取調べシーンは高く評価された
  • 一方で、物語が難解で結末が不親切との批判的な意見もある
  • ラストは沖野の絶叫と最上のハーモニカという象徴的な場面で終わる
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