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この記事でわかること
✓ 小説と映画版それぞれのあらすじと、ネタバレを含む結末
✓ 物語を彩る主要な登場人物と、その関係性
✓ 作品が「サイコホラー」「気持ち悪い」と評される理由と賛否両論の評価
✓ 原作小説と映画版の具体的な違いと比較
「食堂かたつむり」のあらすじをお探しでしょうか。小川糸さんのデビュー小説として知られるこの物語は、心温まる料理の描写と少し切ない人間模様で多くの読者を魅了しました。
本記事では、『食堂かたつむり』のあらすじはもちろんのこと、作品の基本情報として小説と映画、それぞれの『食堂かたつむり』についても詳しく解説します。
また物語をより深く楽しむために欠かせない、主な登場人物と映画版キャスト・相関図も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
まずは「さくっと読めるネタバレなしのあらすじ」からご紹介します。その後、物語の核心に迫る「【原作小説のネタバレ】結末までの詳細なあらすじ」まで、あなたの知りたいレベルに合わせて読み進めることが可能です。
一方で本作品には賛否両論あるのも事実です。
特に、映画は「下品」「サイコホラー」「気持ち悪い」と言われる理由についても触れながら、原作小説と映画版の大きな違いを比較し、映画はひどいのか?という疑問にも切り込みます。

実際の読者の感想・評価まとめも掲載しているので、色んな角度から作品を理解できるでしょう。
最後に、『食堂かたつむり』購読・視聴する方法|配信情報や、『食堂かたつむり』に関するよくある質問(Q&A)もご用意しました。
この記事ひとつで、『食堂かたつむり』のすべてがわかるようになっていますので、どうぞ最後までお楽しみください。
小説『食堂かたつむり』のあらすじを徹底解説

まずは作品の基本情報や主な登場人物といった基礎知識から始め、ネタバレなしのあらすじ、そして物語の核心に触れる結末まで、順を追って詳しく解説します。
本章で取り上げる内容は以下のとおりです。
- 作品の基本情報|小説と映画、それぞれの『食堂かたつむり』
- 主な登場人物と映画版キャスト・相関図
- さくっと読めるネタバレなしのあらすじ
- 【原作小説のネタバレ】結末までの詳細なあらすじ
作品の基本情報|小説と映画、それぞれの『食堂かたつむり』
小川糸のデビュー作、小説『食堂かたつむり』
『食堂かたつむり』は、作家・小川糸さんのデビュー小説です。
心温まる料理と少し切ない人間模様が描かれた作品で、2010年には柴咲コウさん主演で実写映画化もされ、多くの人に知られるようになりました。

物語の魅力は丁寧な料理の描写を通じて、食べることの尊さや人とのつながりを描いている点にあるでしょう。
一方で、母と娘の複雑な関係性にも深く触れており、ただのグルメ小説ではない奥深さが多くの読者の心をつかみました。
ちなみに小説は、2008年1月にポプラ社から単行本として出版され、その後2010年1月に文庫化されています。
日本国内だけでなく海外での評価も高く、2011年にはイタリアの文学賞である「バンカレッラ賞」の料理部門賞を受賞しました。
映画版の特徴と賛否両論
映画版は2010年2月に公開されました。監督はCMなどを手掛けてきた富永まいさんです。ただ映画については、少し注意が必要かもしれません。
原作の持つ優しい雰囲気とは異なり、独特なファンタジー表現や描写が用いられています。そのため観る人によっては、評価が大きく分かれることがあります。
実際、あるラジオ番組の映画ランキングでは厳しい評価を受けたこともあり、小説ファンの方でも戸惑う可能性があるでしょう。
以上のように、小説と映画はそれぞれ異なる魅力と特徴を持っています。
両方を見比べてみることで、より深く『食堂かたつむり』の世界を楽しむことができるはずです。
主な登場人物と映画版キャスト・相関図

『食堂かたつむり』は主人公の倫子と、彼女を取り巻く故郷の個性的な人々との交流が中心です。
それぞれのキャラクターが物語に彩りを与えており、特にもつれた関係にある主人公と母親がどのように変わっていくのかが見どころとなります。
ここでは、主要な登場人物を映画版のキャストと合わせて紹介します。
物語を彩る個性的なキャラクターたち
倫子(りんこ)
主人公の女性。同棲していた恋人に裏切られたショックで声を失ってしまいます。
失意のなか故郷に戻り、一日一組限定の「食堂かたつむり」を開業します。映画では、女優の柴咲コウさんが演じました。
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ルリコ
倫子の母親で娘からは「おかん」と呼ばれています。自由奔放な性格でスナックを経営しており、倫子とは長年、心の溝がありました。この役を、映画では余貴美子さんが好演しています。
熊さん
倫子の良き理解者であり、食堂の開店を親身になって手伝ってくれる心優しい男性です。映画では、ブラザートムさんが温かい雰囲気で演じています。
ネオコン
地元の建設会社の社長で、ルリコが経営するスナックの常連客です。ルリコとは親密な関係にあると噂されています。映画のキャストは田中哲司さんでした。
エルメス
ルリコがペットとしてたいへん可愛がっている豚です。ただのペットではなく、物語の後半で非常に重要な役割を担う存在になります。
物語の軸となる人間関係
これらの登場人物の関係性を簡単に説明すると、まず倫子とルリコは「確執のある母娘」として登場します。そして熊さんは倫子の「協力者」であり、同時にルリコにも恩義を感じている人物です。
物語は倫子が食堂を開くことを通じて、これらの人々との関係性が少しずつ変化していく様子を描いています。
登場人物・キャスト一覧表
登場人物名 | 役割と人物像 | 映画版キャスト |
倫子(りんこ) | 物語の主人公。恋人に裏切られたショックで失声症となり、故郷で食堂を開く。料理を通じて自己と他者を癒していく。 | 柴咲コウ |
ルリコ | 倫子の母。自由奔放な性格でスナックを経営。娘とは長年確執があるが、その内面には複雑な愛情を秘めている。 | 余貴美子 |
熊さん | 地元の農夫。倫子の良き理解者であり、食堂の開店を献身的に手伝う。物語における優しさと良識の象徴。 | ブラザートム |
ネオコン | 地元の建設会社社長で、ルリコのスナックの常連客。ルリコと親密な関係にある。 | 田中哲司 |
エルメス | ルリコがペットとして溺愛する豚。単なる動物ではなく、物語のクライマックスで極めて重要な役割を担う存在。 | 実際の豚を起用 |
さくっと読めるネタバレなしのあらすじ

主人公の倫子は、同棲していた恋人に裏切られてしまいます。
大切にしていた家財道具や貯金をすべて持ち去られたのです。
あまりのショックに声を失ってしまった彼女は、祖母から受け継いだぬか床だけを手にしました。そして長らく疎遠だった、母親のルリコが住む故郷へと戻ることを決意します。

自由奔放な母との関係に悩みながらも、倫子は得意な料理の腕を活かすことにしました。
一日一組だけをもてなす小さな食堂「食堂かたつむり」を開きます。そこには決まったメニューはなく、お客さんと対話しながら、その人のためだけの特別な料理を作るというスタイルでした。
心を込めて作られる倫子の料理は、不思議と食べた人に小さな奇跡をもたらします。いつしか「願いが叶う食堂」として評判が広まっていきました。
さまざまな事情を抱えた人々が訪れる中で、倫子自身も少しずつ心の傷を癒していくのでした。
【原作小説のネタバレ】結末までの詳細なあらすじ

※ ここからはネタバレを含んだ物語の核心に触れるため、未読の方はご注意ください。
母ルリコの最後の願い
物語のクライマックスは、母ルリコが倫子に癌で余命わずかだと告げるところから、怒涛のように展開します。しかしそれはただ悲しいだけの告白ではありませんでした。
ルリコは長年想い続けていた初恋の相手、修一と奇跡的に再会します。そして人生の最後に、結婚することを決意していたのです。
母の最初で最後の花道を飾るため、倫子は結婚披露宴の料理をすべてプロデュースするという大役を引き受けました。
エルメスとの別れと倫子の決意
そしてルリコからもうひとつ、倫子の価値観を根底から揺るがす衝撃的な願いが告げられます。
それは家族同然に可愛がってきたペットの豚、エルメスを披露宴のメインディッシュにしてほしいというものでした。
これはルリコの独特な死生観と、命を余すことなく愛し尽くすという彼女なりの哲学の表れだったのです。

倫子は激しく葛藤しますが、最終的に母の最後の願いを受け入れます。
エルメスの命を料理に変えるという、あまりにも重い責任と向き合う決意をしました。
倫子は「血の一滴、皮の一枚すら無駄にしない」という強い信念のもと、自らの手で解体から調理までをすべて行い、エルメスの命を最高の料理へと昇華させます。
喪失、そして再生への兆し
その後の披露宴、そして母との別れを経て、倫子は深い喪失感に襲われます。
母を失った悲しみと、エルメスを手にかけてしまった衝撃は計り知れません。彼女は生きる気力すらなくし、大好きだった料理が一切できなくなってしまいました。
空っぽの日々が続く中、ある日、倫子の目の前で起こった「小さな死」が倫子に大きな転機をもたらします。それはまるで母が最後に教えてくれた、「命の尊厳」についてのレッスンのようでした。
倫子は、その出来事をきっかけに、どのようにして再び厨房に立ち、失われた自分自身を取り戻すのでしょうか。そして倫子が最後にたどり着く奇跡とはどのようなものなのか。
この物語の力強く、そして賛否を呼ぶ結末の詳細は、ぜひあなたの目で直接確かめてみてください。
本作を読む方法は、「『食堂かたつむり』購読・視聴する方法|配信情報」の欄で取り上げています。
食堂かたつむりのあらすじ以外の評価・情報まとめ

この章では、なぜ映画版がこれほど賛否を呼ぶのか、原作と何が違うのかといった評価や比較、さらには作品の視聴方法まで、より多角的な情報をお届けします。
本章で取り上げる内容は以下のとおりです。
- 映画が「下品」「サイコホラー」「気持ち悪い」理由
- 原作小説と映画版の大きな違い|映画はひどい?
- 読者の感想・評価まとめ
- 『食堂かたつむり』購読・視聴する方法|配信情報
- 『食堂かたつむり』に関するよくある質問(Q&A)
映画が「下品」「サイコホラー」「気持ち悪い」理由
独善的と評される世界観
映画『食堂かたつむり』は、心温まる物語として知られる一方で、厳しい評価も受けています。
一部の視聴者からは「下品」「サイコホラー」「気持ち悪い」といった声が上がりました。
その理由は、一見すると可愛らしいファンタジーの世界観の中に、多くの人が不快に感じる独特な要素が盛り込まれているためです。
まず、この映画の世界観そのものに違和感を覚える人がいます。
物語の登場人物や出来事のすべてが、まるで主人公の倫子を肯定し、癒すためだけに存在しているように描かれます。
倫子が作る料理は、人と心を通わせるきっかけではありません。食べた相手を無条件で幸せにする「魔法の薬」のように機能するのです。
このような自分中心の都合の良い世界観が、一部の視聴者には独善的で不気味なものに映るようです。
倫子の出生の秘密
また具体的なエピソードも厳しい評価の原因となっています。
主人公の母親ルリコが語る「水鉄砲ベイビー」のエピソードは、その筆頭です。
これは倫子が、特別な存在であることを示すための奇抜な設定でした。しかし、あまりにも突飛で非現実的な内容であるため、「下品だ」「気持ち悪い」と感じる人が少なくありません。
ペットを食べるという展開
物語のクライマックスで、家族同然に可愛がっていたペットの豚「エルメス」を料理して食べる展開も、多くの批判を集めました。
「命をいただく」というテーマを扱っているのかもしれません。しかし映画では、エルメス自身が喜んで食べられたかのようなファンタジー描写が加えられます。
この現実離れした表現が、命の重みを軽んじているように見えてしまうのです。そして単なる自己正当化のための不気味な物語だと、受け取られています。
唐突な主人公の行動
映画の終盤、倫子が窓にぶつかって死んだ野鳩をためらうことなく調理して食べるシーンも、多くの視聴者に衝撃を与えました。
何の脈絡もなく行われるこの行動は、主人公の感情が理解できません。そのため、サイコホラーのようだと評されることがあります。
以上の理由から、本作は優しいグルメ映画を期待して観ると、その独特な世界観や倫理観に大きなギャップを感じてしまう可能性のある作品です。
原作小説と映画版の大きな違い|映画はひどい?

原作小説と映画版には、物語のあらすじこそ似ていますが、いくつかの決定的な違いが存在します。
映画が一部で「ひどい」とまで評されるのは、この違い、特にテーマの描き方や表現方法をどう受け止めるかによるでしょう。
映画は原作の物語を比較的忠実に再現しようとしています。しかし映像化にあたって加えられた演出や、逆に省略された部分があるのです。それによって、作品全体の印象が大きく変わっています。
特に大きな違いは、以下の3点に集約されるでしょう。
物語の雰囲気と表現方法
小説は主人公・倫子の一人称視点で、彼女の内面が淡々と描かれていきます。
読者は倫子の心の声を通して、料理への想いや母への複雑な感情を深く理解できます。
一方の映画は、ミュージカル風の演出やカラフルなCGを多用しました。まるでおとぎ話のようなファンタジー世界を視覚的に作り上げています。
この独特な演出を「可愛らしい」と好意的に受け取る人もいます。
しかし小説の持つ静かな空気感を好む読者からは、「原作の雰囲気と合わない」「表面的で安っぽく見える」と否定的に感じられています。
衝撃的なシーンの描き方
この違いがもっとも大きいかもしれません。
原作では、ペットの豚・エルメスを倫子が自らの手で解体する場面があります。彼女の覚悟や命への向き合い方を示す重要なシーンとして、非常に生々しく、克明に描かれているのです。
しかし映画では倫理的な配慮からか、この直接的な解体描写が完全に省略されました。
もっといえば、命を奪うという重い現実を飛ばし、エルメスを食べるという行為だけがファンタジックに描かれます。このため原作の核となる、「命をいただくことの重み」というテーマが薄れてしまいました。そしてただ奇妙な展開だけが残ってしまった、という厳しい批判があります。
一部の登場人物の設定変更
物語の中で、主人公に嫌がらせをする人物が登場します。
原作では匿名の男性客でしたが、映画では満島ひかりさん演じる同級生のミドリに変更されました。これは物語をより人間関係のドラマに近づけるための変更だと思われます。
しかし映画では、ミドリと倫子がきちんと和解する過程が描かれていません。
そのためなぜ彼女が、最後の披露宴に楽しそうに参加しているのかが不明で、物語として不自然に見えてしまう部分があります。
これらの違いから、映画版は原作が持つテーマの核となる部分を十分に描ききれなかったため、物語が軽薄になってしまったという意見は少なくありません。
しかし柴咲コウさんをはじめとする俳優陣の演技は魅力的です。映像作品としての独特の世界観を楽しむこともできるでしょう。

原作とは「別の作品」として鑑賞するのが良いかもしれません。
原作小説と映画の比較表
テーマ要素 | 小説のアプローチ(内省的リアリズム) | 映画のアプローチ(ファンタジックな外面化) | 差異がもたらした結果 |
全体的なトーン | 静かで内省的。倫子の心情と料理の質感を丹念に描く。 | 鮮やかでサイケデリック。CGやミュージカル演出を多用。 | 原作の持つ静謐な雰囲気が失われ、表層的で軽薄との批判を招いた。 |
エルメスの解体 | 物語の哲学的核心として、生々しく神聖な儀式として克明に描写。 | 解体シーンを完全に省略。エルメスが喜んで食べられるかのようなファンタジー描写に置き換え。 | 「命をいただく」というテーマが完全に希薄化し、行為の奇妙さだけが際立つ結果となった。 |
倫子の料理 | 声に代わるコミュニケーション手段であり、自己治癒のプロセス。 | 食べた相手を無条件で幸せにする「魔法の薬」として機能。 | 料理の持つ深い意味合いが失われ、ご都合主義的な展開に見える一因となった。 |
敵対者の設定 | 匿名の男性客による理不尽なクレーム。社会的な悪意の象徴。 | 同級生ミドリからの嫉妬。個人的な人間ドラマへの変更。 | 物語は分かりやすくなったが、和解の過程が描かれず、プロットに不自然さを生んだ。 |
「水鉄砲ベイビー」 | ルリコの歪んだ純愛と狂気を象徴する、悲劇的な告白。 | 奇抜なビジュアルと共に描かれ、物語の突飛さを強調するエピソードとなった。 | 下品、意味不明といった拒否反応を引き起こし、作品の賛否を分ける要因となった。 |
小説の読者の感想・評価まとめ

心温まるといった肯定的な感想
『食堂かたつむり』は、読む人によって感想が大きく分かれる作品です。心温まる物語として高く評価する声がある一方で、物語の展開や表現方法に戸惑う意見も少なくありません。

肯定的な感想としては、まず料理の描写が素晴らしいという点が挙げられます。
丁寧に食材と向き合い、心を込めて料理する様子には、「お腹が空いた」「料理がしたくなった」と感じる読者が多くいます。
また「食べること=生きること」というテーマや、不器用ながらも描かれる母と娘の愛情に感動したという声も多数見られました。
衝撃的すぎるとの否定的な意見
一方で、否定的な意見も存在します。
物語の終盤でペットとして可愛がっていた豚のエルメスを食べるという展開は、多くの読者に衝撃を特に与えました。
「残酷すぎる」「倫理的に受け入れがたい」といった感想が目立ちます。
さらに主人公の出生の秘密である、「水鉄砲ベイビー」という突飛な設定や、一部の下品とも取れる表現に嫌悪感を示す声もあります。
これらの理由から、本作は「優しいファンタジー」と捉えるか、「不気味なサイコホラー」と捉えるかで、評価が180度変わるようです。
読む前には、こうした賛否両論があることを知っておくと良いかもしれません。
『食堂かたつむり』購読・視聴する方法|配信情報

『食堂かたつむり』に触れたい場合、小説と映画で主な楽しみ方が異なります。ここでは、2025年9月現在の情報を基に、それぞれの方法を紹介します。
原作小説の入手方法
まず原作小説は非常に手に入りやすいです。
全国の書店や、Amazon、楽天ブックスといったオンラインストアで、単行本と文庫本の両方が購入できます。
またKindleやコミックシーモアなどの電子書籍ストアでも配信されています。すぐに読みたい方に便利です。
図書館で探してみるのも良いでしょう。
映画版の視聴方法(2025年9月現在)
次に映画版ですが、こちらは視聴方法が少し限られます。
残念ながら、2025年9月現在、NetflixやAmazonプライム・ビデオといった主要な定額制動画配信サービスでの見放題配信は行われていないようです。
そのため、映画を観る主な方法はDVDやBlu-rayになります。
Amazonなどのオンラインストアで購入できるほか、「TSUTAYA DISCAS」のような宅配DVDレンタルサービスを利用すれば、自宅で手軽に鑑賞することが可能です。
以上のように、小説は今すぐ手軽に読むことができます。映画版を観たい場合はDVDを探すのがもっとも確実な方法といえます。
視聴環境は変わる可能性もあるため、各サービスの公式サイトで最新情報を確認することをおすすめします。
『食堂かたつむり』に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 原作小説『食堂かたつむり』はオススメですか?
この小説をオススメできるかどうかは、あなたが物語に何を求めるかによって変わってきます。そのため、一概に「誰にでもオススメです」とは言いにくい作品です。
こんな方にオススメ
まずオススメできるのは、料理が出てくる優しい雰囲気の物語や、少し不思議なファンタジー要素のある話が好きな方です。
作中には丁寧な料理の描写がたくさん出てくるので、食に関心がある方ならきっと楽しめるでしょう。
また母と娘の少し複雑な関係性を描いた物語に興味がある方にも、響く部分があるかもしれません。
読む前に知っておきたい注意点
一方で物語のリアリティを重視する方には、あまり向いていない可能性があります。
物語には、ペットとして飼っていた動物を食べたり、非現実的な出生の秘密が語られたりします。衝撃的で奇妙に感じられる展開が含まれているのです。
このような独特な世界観を受け入れられないと、読み進めるのが難しいと感じるかもしれません。
以上のように、本作は読む人を選ぶ作品です。
ただハマる人には深く心に残る一冊となるため、あらすじや感想を読んで少しでも興味が湧いたのであれば、一度手に取ってみることをオススメします。
Q2. 映画版は「ひどい」という評価は本当ですか?
はい、映画版が一部で「ひどい」「気持ち悪い」と厳しく評価されているのは事実です。
しかしこれは作品の独特な表現方法に理由があり、すべての人に当てはまる評価ではありません。
批判の的となった独自の映像表現
映画版は、原作の物語をなぞりながらも、ミュージカル風の演出やCGを多用しました。非常にカラフルでファンタジー色の強い作品に仕上がっています。
このポップな表現が、原作の持つ静かで少し切ない雰囲気とは異なっており、違和感を覚える人が少なくありません。
また原作でも賛否が分かれる衝撃的なシーンが、ファンタジックに描かれています。ペットの豚を食べる、主人公の出生の秘密などです。
これにより、かえって不気味さや自己中心的な印象を強調してしまっている、という批判もあります。
このような理由から、心温まるヒューマンドラマを期待した視聴者にとっては、「ひどい」という感想につながりやすいようです。
映画ならではの魅力と鑑賞のポイント
もちろん、この独特の世界観を「可愛らしい」「芸術的だ」と評価する声もあります。
柴咲コウさんをはじめとする俳優陣の演技を称賛する声もあるのです。映画を観る際は、こうした賛否両論があることを理解した上で、ひとつの映像表現として楽しむのが良いでしょう。
Q3. 作中の「ジュテーム・スープ」とは何ですか?
「ジュテーム・スープ」とは、物語の中で主人公の倫子が、恋を成就させたいと願う高校生のカップルのために作った特別なスープのことです。
「ジュテーム」はフランス語で「愛している」を意味します。
物語の鍵となる「恋が叶うスープ」
ジュテーム・スープは決まったレシピがあるわけではありません。
倫子がカップルの様子や雰囲気からインスピレーションを得て、カボチャやリンゴなど、その時の野菜を使って即興で作ったものです。
好きな人を前にして緊張している時でも、スプーンで気軽に飲めるように、という倫子の優しさが込められています。
物語の中で、このスープを飲んだふたりが無事に両想いになったことから、「恋が叶う魔法のスープ」として食堂かたつむりの名物となりました。
現実世界でも話題となった魔法のスープ
ちなみに、このスープは現実世界でも話題となり、レシピサイトで多くの人が再現レシピを公開しています。
また過去にはスープ専門店「Soup Stock Tokyo」で、期間限定商品として販売されたこともありました。
Q4. 「水鉄砲」のエピソードにはどんな意味がありますか?
このエピソードは、主人公・倫子の出生の秘密を明かす、物語の中でも特に衝撃的な部分です。
母のルリコが倫子に対して、「あなたは処女懐胎で生まれた水鉄砲ベイビーなのよ」と告白します。
ルリコは高校時代に姿を消した初恋の相手を想い続け、他の男性と関係を持つことなく処女のままでいると誓っていました。
しかしどうしても自分の子どもが欲しかった彼女は、行きずりの男性の精子を水鉄砲で自らの体内に注入し、倫子を身ごもった、というのがこの話の筋書きです。
エピソードが持つ意味と賛否両論の評価
この突飛なエピソードが持つ意味としては、ルリコという人物の常識にとらわれない強烈な個性と、初恋の相手への一途な想いを表現していると考えられます。
倫子が不倫の子ではない、ということを示すための、非常に風変わりな物語上の装置といえるでしょう。
もちろん、医学的にはありえない話であり、多くの読者や視聴者が「下品だ」「意味がわからない」と戸惑いを感じる部分でもあります。

本作の賛否を大きく分ける、もっとも象徴的なエピソードのひとつです。
総括『食堂かたつむり』のあらすじと評価の要点

『食堂かたつむり』は、料理を通して「喪失と再生」を描きながら、母娘の歪んだ愛情や「命をいただく」ことへの過激な問いかけを内包した物語です。
その賛否両論の世界観は、普段私たちが意識しない「食」と「生」のつながりを改めて考えさせます。それでは最後にポイントを箇条書きでまとめます。
- 小川糸のデビュー小説であり、2010年に柴咲コウ主演で映画化された
- 主人公の倫子は恋人に裏切られたショックで声を失い故郷へ戻る
- 故郷で一日一組限定の食堂を開き、料理で人を癒していく物語である
- 主な登場人物は主人公の倫子、母のルリコ、協力者の熊さんなど
- 物語の後半は、母ルリコの癌による余命宣告と最後の結婚が軸となる
- 最大の衝撃は、ペットの豚エルメスを母の願いで料理する展開にある
- 倫子は母の死を乗り越え、ある出来事を経て声を取り戻し再生する
- 読者や視聴者の評価は「心温まる」と「気持ち悪い」で二極化している
- 映画版は「下品」「サイコホラー」との酷評も受けている
- 批判の理由は「水鉄砲ベイビー」やエルメスを食べるなどの奇抜な設定
- 小説は内面描写が主だが、映画はCG等を多用したファンタジー演出
- 映画は小説の核である解体シーンを省略し、テーマが軽薄になったと批判される
- 小説は入手容易だが、映画は2025年9月現在、DVDレンタルが主な視聴方法である
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事は筆者のヨミトがお届けしました(プロフィールはこちら)。