※【PR】この記事には広告を含む場合があります。

この記事でわかること
✓ ネタバレあり・なし両方の詳細なあらすじと結末
✓ 作品のテーマや「盤上の向日葵」というタイトルの深い意味
✓ 原作とドラマ・映画版とのストーリーや結末の具体的な違い
✓ 多くの読者からの感想や「つまらない」という評判の真相
なぜ光り輝くはずの天才棋士は、凄惨な事件の容疑者となったのでしょうか?
柚月裕子の傑作ミステリー『盤上の向日葵』は、山中で発見された白骨死体と、傍らに埋められていた一枚の名駒から始まる、慟哭の物語です。
ここでは、まだ作品を読んでいない方へ向けたネタバレなしのあらすじから、ネタバレありの結末まで詳しく解説します。
さらに、希望を描いたドラマ版や2025年公開の映画版との具体的な違いにも触れ、あなたが知りたい情報をすべて網羅しました。

本記事を読めば、『盤上の向日葵』の世界の奥深さに、きっとあなたも引き込まれるはずです。
小説『盤上の向日葵』のあらすじ【ネタバレなし】

この章では『盤上の向日葵』のあらすじを、ネタバレを避けて解説します。まずは物語の全体像を掴んでいきましょう。次の構成順にてお伝えします。
- 「盤上の向日葵」の基本情報
- 主な登場人物と相関図(小説)
- 小説の大まかなあらすじ(ネタバレなし)
- 「盤上の向日葵」の見どころ|ココがすごい!
- 読者の感想まとめ「つまらない」というのは本当?
- よくある質問(Q&A)
「盤上の向日葵」の基本情報
『盤上の向日葵』は、将棋の世界を舞台にした重厚な社会派ミステリー小説です。ひとりの天才棋士が歩む、光と影に満ちた壮絶な人生が描かれています。
数々の文学賞を受賞した傑作
『盤上の向日葵』は2018年の本屋大賞で第2位に輝きました。ほかにも将棋ペンクラブ大賞・文芸部門「優秀賞」を受賞するなど、文芸界と将棋界の両方から高く評価されています。
著者は『孤狼の血』シリーズで知られる柚月裕子さんです。男たちの骨太な人間ドラマを描くことに定評があり、本作でもその筆力が存分に発揮されています。
具体的な書籍情報は以下のとおりです。
項目 | 詳細 |
著者 | 柚月 裕子(ゆづき ゆうこ) |
出版社 | 中央公論新社 |
発売日 | 単行本:2017年8月21日 文庫本:2020年9月24日 |
ページ数 | 単行本:560ページ |
メディアミックスも多数展開
単行本は厚みがあり読み応え十分ですが、手に取りやすい文庫版も刊行されています。

長編でありながら、物語の吸引力は非常に強力です。
「あまりの面白さに一気読みしてしまった」との声が、多くの読者から上がっています。その人気からNHKでドラマ化されました。
さらに2025年10月31日には映画公開も予定されており、今なお多くの注目を集める傑作といえるでしょう。
主な登場人物と相関図(小説)

『盤上の向日葵』の物語は、複雑な過去と人間味を持つ登場人物たちによって、深く濃密なものになっています。ここでは、物語を動かす中心人物たちを紹介いたします。
物語を動かす主要な人物たち
上条 桂介(かみじょう けいすけ)
本作の主人公。親からの虐待という過酷な過去を背負いながら、光と影の人生を歩む天才棋士。
東明 重慶(とうみょう しげよし)
「鬼殺しのジュウケイ」の異名を持つ伝説の真剣師(賭け将棋師)。人間的には破綻していながらも、桂介の運命を大きく左右します。
唐沢 光一朗(からさわ こういちろう)
元教師。虐待されていた桂介に唯一手を差し伸べ、将棋を教えた恩人。桂介にとっての「光」となる存在です。
石破 剛志(いしば つよし)
埼玉県警のベテラン刑事。叩き上げならではの執念で、山中で発見された白骨死体の謎を追跡します。
佐野 直也(さの なおや)
石破とコンビを組む若手刑事。元奨励会員という特異な経歴を持ち、将棋の知識を活かして事件の真相に迫ります。
上条 庸一(かみじょう よういち)
桂介の父親。酒とギャンブルに溺れ、桂介の人生に深い影を落とす、物語の悲劇の根源ともいえる人物です。
これら個性豊かな登場人物たちが、過去と現在の時間軸で複雑に絡み合います。そして読者をひとつの衝撃的な真実へと導いていくのです。
小説の大まかなあらすじ(ネタバレなし)

『盤上の向日葵』は、ひとつの殺人事件を追う「現代」の視点と、ひとりの天才棋士の半生をたどる「過去」の視点が、交互に描かれながら進んでいきます。
発見された白骨死体と謎の駒
現代の物語は、埼玉県にある天木山の山中から身元不明の白骨死体が見つかる場面から始まります。
遺体の傍らには、まるで手向けのように将棋駒が埋められていました。それは世に数組しか現存しないといわれる、数百万の価値がつく名匠の「初代菊水月作」です。
叩き上げのベテラン刑事・石破と、プロ棋士の夢を諦めた過去をもつ若手刑事・佐野。対照的なふたりは、この不可解な遺留品だけを手がかりに地道な捜査を開始します。
天才棋士の光と影
それと並行して描かれるのが、天才棋士・上条桂介の光と影に満ちた半生です。

上条桂介は実業界で成功を収め、将棋界に彗星のごとく現れた華やかな「光」の経歴を持ちます。
しかしその裏側には、親からの虐待という、想像を絶する「影」の過去が隠されていました。
なぜ名匠の駒は、死体と共に静かに眠っていたのでしょうか。そして、なぜ光り輝くはずの天才棋士が、暗い事件の捜査線上に浮かび上がってくるのでしょう。
無関係に見えたふたつの物語が一本の線として繋がるとき、読者は心を揺さぶる衝撃の真実を知ることになります。
読者の感想まとめ「つまらない」というのは本当?

結論から言うと、『盤上の向日葵』を「つまらない」と感じる方は非常に少なく、多くの読者が絶賛している作品です。
圧倒的な高評価と感動の声
実際に感想を調べてみると、「500ページ超えの分厚い本なのに夢中で一気に読んでしまった」「ラストは衝撃で放心状態になった」といった熱量の高い評価が大多数を占めています。
主人公・上条桂介の壮絶な人生を描く重厚な人間ドラマが、多くの読者の心を特に強く掴んでいるようです。
上条桂介を取り巻く癖のある魅力的な登場人物たちも、物語に深みを与えています。
ミステリーとしての構成の巧みさも評価されています。過去と現在の物語が交錯しながら真相に迫っていく展開に、ページをめくる手が止まらなかったという声が目立ちました。
一部の批判的な意見とその理由
ただ一部には、「物語が重く、結末に救いがないため読んでいて辛い」「終盤の展開が少し駆け足に感じられた」という意見も見られます。
本物語は幸せな結末を迎える作品ではありません。そのため読後感が、重い小説が苦手な方や、爽快などんでん返しを期待する方には、少し合わないと感じる可能性もあるでしょう。
一方で、「将棋のルールはまったく知らなかったけれど、勝負の緊迫感が伝わってきて問題なく楽しめた」という感想が非常に多いのもこの作品の特徴です。
もちろん将棋が好きな方であれば、プロ棋士が監修したリアルな対局の描写から、さらに深い面白さを感じ取れます。
これらのことから、『盤上の向日葵』は「つまらない」どころか、多くの人の心に深く刻まれる力を持った物語といえるのです。
「盤上の向日葵」の見どころ|ココがすごい!

『盤上の向日葵』が多くの読者を惹きつける理由は、主に3つのポイントに集約されます。
練り上げられたミステリー構造
1つ目は、単なる犯人当てで終わらない、練り上げられたミステリー構造です。
物語の最大の謎は「誰が犯人か」ということよりも、「なぜこのような事件が起きたのか」という点にあります。
過去と現在の出来事が巧みに交錯し、散りばめられた伏線が最後にひとつに繋がっていく構成は見事というほかありません。
胸を打つ重厚な人間ドラマ
2つ目は、何よりも胸を打つ重厚な人間ドラマです。
本作品の核となるのは、主人公・上条桂介のあまりにも過酷な人生といえます。
劣悪な環境で育ちながらも、恩師との出会いで将棋という光を見出します。しかし彼の運命は、次々と過酷な試練に見舞われます。その壮絶な生き様は、多くの読者の心を強く揺さぶるでしょう。
将棋を知らなくても楽しめる
3つ目は、将棋に詳しくなくても夢中になれる点です。作中では将棋の対局シーンが多く描かれますが、難しいルールの解説はほとんどありません。
むしろ勝負師たちの鬼気迫る心理描写や、一手に人生を懸ける男たちの熱量が中心となっています。そのため知識がなくても、手に汗握る緊張感を味わうことができるのです。
小説に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 小説・ドラマ・映画、どれから見るのがおすすめ?
初めてこの物語に触れる方には、まず原作の小説から読むことをおすすめします。

小説は登場人物の細やかな心理描写や、物語の背景がもっとも深く描かれています。
作者が伝えたかった本来の結末を体験できるのも魅力です。
その上で小説とは結末が大きく異なるドラマ版や、新たな解釈で描かれるであろう映画版を観ることで、それぞれの違いを楽しむことができます。
長い文章を読むのが苦手な方は、ドラマや映画といった映像作品から入るのもひとつの方法です。どの媒体から触れても、それぞれに違った魅力があるでしょう。
Q2. 漫画版はありますか?
はい、漫画版も存在します。
作画を雨群(あまぐに)さんが担当し、2022年10月からウェブコミックサイト「COMIC Hu」にて連載が開始されました。
小説の持つ緊迫感や登場人物の葛藤が、美麗な絵で表現されており、原作ファンからも高い評価を得ています。小説とはまた違った形で物語を楽しみたい方におすすめです。
Q3. 作者の柚月裕子さんの他の代表作は?
柚月裕子さんは、骨太なミステリーや人間ドラマで知られ、多くの人気作を執筆されています。
特に有名なのが、警察とヤクザの壮絶な戦いを描いた「孤狼の血」シリーズです。このシリーズは映画化もされ、大きな話題となりました。
他にも、上川隆也さん主演でドラマ化された検事・佐方貞人シリーズ(『検事の本懐』など)も人気です。
また天海祐希さん主演で、ドラマ化された『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』も広く知られています。
どの作品も、人間の業や正義といったテーマを深く掘り下げています。『盤上の向日葵』が心に残った方であれば、きっと楽しめるはずです。
『盤上の向日葵』あらすじの核心とメディア展開

この章では、物語の結末を含む詳細なあらすじから、タイトルの意味、ドラマ・映画版との比較まで、作品をより深く理解するための情報を解説します。未読の方はご注意ください。
次の構成順にてお届けします。
- 詳細なあらすじと結末【ネタバレあり】
- タイトルの意味する「盤上の向日葵」とは?
- ドラマ版のキャストと基本情報と配信状況
- 原作とドラマ版の結末の大きな違いを解説
- 映画『盤上の向日葵』最新情報|主題歌も決定
詳細なあらすじと結末【ネタバレあり】
※ ここからは物語の核心に触れるため、未読の方はご注意ください。
桂介を苛む「いかれた血」の真実
物語が進むにつれて、主人公・上条桂介の壮絶な過去が明らかになります。
恩師・唐沢との出会いで将棋の才能を見出されるも、父・庸一から自らの出生に関する衝撃的な秘密を告げられました。それは母とその兄との間に生まれたという事実です。
自分に流れる「いかれた血」の存在を知った彼は、生涯つきまとってきた死への衝動の根源を悟り、深い絶望に囚われます。
白骨死体の正体と駒に込めた想い
そんな桂介の前に、病で死期の近い伝説の真剣師・東明重慶が再び現れます。桂介は東明に父の殺害を依頼したとされますが、物語の真相は異なります。

山中で発見された白骨死体の正体は、東明重慶本人でした。
重慶は病の苦しみから自ら死を選び、桂介はその最期を見届けたのです。
桂介が遺体と共に高価な駒を埋めたのは、殺人の証拠隠滅のためではありませんでした。それは命を懸けた勝負師であった東明への、桂介なりの弔い(香典)だったのです。
衝撃の結末
東明の「プロになれ」という遺言を胸に、桂介は将棋界で頂点を目指します。しかし運命は彼に微笑みません。
警察の捜査の手が迫るなか、人生を懸けた竜昇戦の最終局で、桂介はまさかの反則負けを喫してしまいます。それはかつて東明が、最期の勝負で見せたのと同じ「二歩」でした。
将棋という唯一の生きる支えを、もっとも重要な局面で失ってしまった桂介。
警察に追い詰められた彼が最後に選んだ道は、あまりにも衝撃的で悲しいものでした。それは桂介を生涯苦しめ続けた「向日葵」の幻影へと、自ら身を投じるかのような壮絶な幕引きでした。
桂介が下した最後の一手がどのような結末を迎えるのか、その全貌はぜひご自身の目でお確かめください。
タイトルの意味する「盤上の向日葵」とは?

この物語のタイトル『盤上の向日葵』は、主人公・上条桂介の人生そのものを象徴する、非常に多層的な意味を持っています。
桂介が見る「幻影」
ひとつは桂介が対局中に見る「幻影」です。
桂介は極限の集中状態になると、将棋盤のマス目に無数の向日葵が咲き誇る光景を見ることがありました。この幻影は、時に次に指すべき最善の一手を彼に示すことがあります。

桂介の天才的な才能と、母親への思慕や精神的な葛藤が分かちがたく結びついていることを示唆しています。
希望と宿命の象徴
また向日葵が常に太陽の方向を向いて咲く性質も、重要な意味を持ちます。
それは親からの虐待や、絶望的な境遇という暗闇の中で、唯一の希望である「将棋」という光に、ただひたすら手を伸ばし続けた彼の生き様そのものを表しています。
さらに作者の柚月裕子さんが、画家ゴッホの人生から着想を得ている点も見逃せません。
向日葵は天才が抱える輝きと狂気、そして作中で語られる「いかれた血」という、抗うことのできない宿命の象徴としても描かれています。
以上のように『盤上の向日葵』という言葉は、桂介にとって希望や執念であると同時に、逃れることのできない悲しい宿命のすべてを内包しています。
それは彼の天才性の源泉であり、この物語の核となる象徴なのです。
ドラマ版のキャストと基本情報と配信状況

『盤上の向日葵』は、2019年9月にNHK BSプレミアムの「プレミアムドラマ」枠で、全4回の連続ドラマとして放送されました。
脚本は『コンフィデンスマンJP』シリーズなどを手掛けた黒岩勉さんです。主題歌は鈴木雅之さんの楽曲「ポラリス」が採用されています。
実力派が揃ったキャスト陣
物語の主要な登場人物を演じたキャスト陣も、実力派が揃いました。
役名 | 俳優名 |
上条 桂介 | 千葉 雄大 |
東明 重慶 | 竹中 直人 |
唐沢 光一朗 | 柄本 明 |
石破 剛志 | 大友 康平 |
佐野 直子 | 蓮佛 美 |
主人公の天才棋士・上条桂介を演じたのは、当時NHK連続ドラマ初主演となった千葉雄大さんです。
彼を囲む重要な人物として、竹中直人さんや柄本明さんといったベテラン俳優陣が脇を固め、物語に深みを与えています。
また原作からの大きな変更点として、若手刑事の佐野が男性から女性の「佐野直子」へと設定が変更されている点が挙げられます。これはドラマならではの魅力のひとつとなっています。
現在の配信状況
配信状況ですが、2025年9月2日現在、残念ながらNetflixやU-NEXTといった主要な動画配信サービスでの取り扱いは確認されていません。(過去にU-NEXTでの配信あり)
視聴するには、NHKの公式サービスである「NHKオンデマンド」での再配信を待つのがもっとも確実な方法といえます。最新の情報は公式サイトでご確認いただくことをお勧めします。
原作とドラマ版の結末の大きな違いを解説

小説とドラマ版では、物語の結末が大きく異なっています。
もっとも大きな違いは、主人公・上条桂介の最後の運命と、そこに「救い」があるかどうかという点でしょう。
小説版の悲劇的な結末
※ 小説版・ドラマ版の重大なネタバレが含まれています。未読の方はご注意ください。
小説版では、将棋界の頂点を決める竜昇戦で痛恨の反則負けを喫した桂介が、その直後に東京駅で刑事たちに追い詰められます。
将棋という唯一の光を失い、自らの血に流れる宿命から逃れられないと悟った桂介は、最終的に自ら命を絶つという、あまりにも悲劇的な選択をしました。
父親・庸一の存在も、桂介が東明に依頼した通りに始末されたことが示唆されており、物語はどこにも救いを見出せないまま幕を閉じます。

まさに過酷な運命に翻弄され続けたひとりの人間の、壮絶な慟哭が描かれているのです。
ドラマ版の希望に満ちた結末
これに対し、ドラマ版はまったく異なる希望に満ちた結末を用意しました。桂介が自ら命を絶とうとするまさにその瞬間、石破刑事が身を挺して彼を止め、その命を繋ぎ止めます。
さらに物語を根底から覆す大きな変更点として、死んだはずの父親・庸一が生きていることが判明しました。東明は桂介の依頼を遂行せず、庸一を脅して遠ざけていただけだったのです。
この事実により、桂介は「殺人教唆」という最も重い罪から解放されます。
そして取調室での佐野刑事からの熱い説得もあり、罪を償い、再び将棋の道で再起を目指すという再生の物語へと昇華されています。
「宿命」の物語と「再生」の物語
以上のように小説版が、「血」や「宿命」といった抗えない力に飲み込まれていく個人の悲劇を突きつける。
一方でドラマ版は他者との関わりや信じる心が、絶望的な状況からでも人を救い出す可能性を描いています。
どちらが良いというわけではなく、ふたつの異なる結末は『盤上の向日葵』という物語に、まったく別の光を当てています。
原作の持つ重厚な悲劇性を味わうか、ドラマが示す再生への希望を感じるか、ぜひ両方を見比べて、この物語の奥深さに触れてみてください。
映画『盤上の向日葵』最新情報|主題歌も決定
いよいよ、あの慟哭のミステリーがスクリーンに登場します。『盤上の向日葵』の実写映画化が決定し、2025年10月31日に全国で公開される予定です。
豪華キャストとオリジナルキャラクター
主人公である、過酷な運命を背負った天才棋士・上条桂介を演じるのは坂口健太郎さんです。
予告映像では、これまでの爽やかなイメージを覆すような、怒りや哀しみを爆発させる鬼気迫る演技が垣間見えます。
そして桂介の人生に大きな影響を与える、伝説の真剣師・東明重慶役には、渡辺謙さんが圧倒的な存在感で挑みます。

ふたりの実力派俳優による初共演でのぶつかり合いは、本作最大の見どころのひとつといえるでしょう。
脇を固めるキャストも豪華な顔ぶれです。事件の真相を粘り強く追うベテラン刑事・石破剛志役に佐々木蔵之介さん、彼と行動を共にする若手巡査・佐野直也役に高杉真宙さんが配されました。
さらに、桂介の恩師・唐沢光一朗役に小日向文世さん、虐待を続けた父・上条庸一役に音尾琢真さんと、実力派が揃っています。
特に注目されるのが、土屋太鳳さんが演じる映画オリジナルのキャラクター、桂介の元婚約者・宮田奈津子です。
原作には登場しない奈津子の存在が、主人公の人間的な側面に新たな光を当て、物語にどのような深みを与えるのか、大きな期待が寄せられています。
監督・脚本は『ユリゴコロ』などで知られる熊澤尚人さんが務めます。
主題歌はサザン名曲の「暮れゆく街のふたり」
本作の主題歌には、サザンオールスターズの名曲「暮れゆく街のふたり」が決定しました。
予告映像でも流れるこの切ないメロディが、激しく流転する桂介の運命と重なり、物語をより一層ドラマチックに彩ります。
豪華なキャストとスタッフが集結し、原作の持つ重厚な人間ドラマがどのように映像化されるのか、公開が今から待ち遠しい作品です。
『盤上の向日葵』あらすじと作品情報の総まとめ

『盤上の向日葵』は、単なるミステリー小説ではありません。それは、過酷な運命に翻弄されながらも、将棋という一条の光を追い求めた男の壮絶な人生を描く、魂の物語です。
それでは最後にポイントを箇条書きでまとめます。
- 著者は『孤狼の血』シリーズで知られる柚月裕子である
- 2018年の本屋大賞で第2位を受賞した傑作ミステリー
- 物語は白骨死体と非常に高価な将棋駒の発見から始まる
- 刑事たちによる現代の捜査と、主人公の壮絶な過去が交互に描かれる
- 主人公は、過酷な運命を背負った天才棋士・上条桂介
- 物語の鍵を握るのは、伝説の賭け将棋師(真剣師)・東明重慶
- 将棋の知識がなくても重厚な人間ドラマとして楽しめる
- 「つまらない」という感想は少数で、絶賛の声が大多数を占める
- 山中の白骨死体の正体は東明重慶であり、彼は病を苦に自ら命を絶った
- 小説の結末で、主人公の上条桂介は自ら死を選ぶという悲劇的なもの
- タイトルの「向日葵」は主人公の希望・執念・逃れられない宿命の象徴
- 2019年にNHKでドラマ化され、結末が原作とは異なる希望のある内容に変更
- 2025年10月31日に坂口健太郎と渡辺謙の主演で映画が公開予定
- 映画版には土屋太鳳が演じる原作にはないオリジナルキャラクターが登場
- 主題歌はサザンオールスターズの「暮れゆく街のふたり」に決定している
最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が、作品をより深く楽しむきっかけになれば幸いです。執筆者はヨミトでした。(詳しいプロフィールはこちら)」