ドラマ「すてきな片想い」のあらすじと結末を解説｜中山美穂が歌う主題歌も

1990年の月9を彩った、中山美穂さん主演の名作ドラマ「すてきな片想い」。

恥ずかしさからついてしまった、たったひとつのウソ。それがきっかけで始まる、もどかしくて切ない二重生活と、すれ違う恋の行方をご存知ですか？

登場人物の複雑な相関図から、中山美穂さんが歌う名曲主題歌、懐かしのロケ地まで、ドラマの魅力を余すところなくお届けします。

当時夢中になった方も、これから初めて見る方も、この記事を読めば「すてきな片想い」のすべてがわかります。

ドラマ「すてきな片想い」のあらすじを徹底解説

この章では以下の構成順にて、『すてきな片想い』の物語をより深く楽しむために、まずは作品の基本情報や登場人物を紹介します。

その後、ネタバレを避けたい方向けの全体あらすじから、各話の詳細、そして感動の最終回までを徹底的に解説していきます。

• ドラマ「すてきな片想い」の作品情報まとめ
• 主な登場人物とキャスト相関図
• 全体あらすじ【ネタバレなし】
• 各話あらすじ【ネタバレ】
• 結末｜中山美穂演じる圭子の恋の行方は？【ネタバレ】

ドラマ「すてきな片想い」の作品情報まとめ

『すてきな片想い』は、1990年の秋にフジテレビ系列の「月9」枠で放送された、中山美穂さん主演の恋愛ドラマです。

「純愛三部作」のひとつとして大ヒット

本作品は、後に「東京ラブストーリー」や「101回目のプロポーズ」と共に「純愛三部作」と称される人気シリーズの第一作にあたります。

平均視聴率21.8%、最高視聴率26.0%という高い数字を記録しました。

携帯電話が普及する前の、もどかしくも純粋な恋愛模様が描かれ、多くの視聴者の心を掴んだ作品となります。

具体的な作品情報は以下のとおりです。

項目	詳細
放送期間	1990年10月15日～12月17日
放送局	フジテレビ系列
放送枠	月曜21時～21時54分（通称「月9」）
脚本	野島伸司
プロデューサー	大多亮
主題歌	中山美穂「愛してるっていわない!」
平均視聴率	21.8%
最高視聴率	26.0%（最終話）
話数	全10話

主な登場人物とキャスト相関図

本物語の魅力は、主人公たちの切ない恋だけではありません。

主人公たちを取り巻く個性豊かな登場人物たちが織りなす、複雑な人間模様にもあります。それぞれのキャラクターが抱える悩みや、戦国武将に例えられるほど三者三様の恋愛観が絡み合います。

これにより物語に一層の深みと共感が生まれています。ここでは主な登場人物と、演じたキャストを紹介いたしましょう。

物語を彩る主要な登場人物たち

与田 圭子（演：中山美穂）

本作の主人公。海苔問屋に勤める、少し地味で心優しいOLです。

おっちょこちょいな性格で、俊平との最悪な出会いをきっかけに、とっさに偽名を名乗ってしまい事態を複雑にしていきます。

「鳴かぬなら鳴くまで待とう」という家康タイプで、自分の気持ちをなかなか言い出せずに思い悩みます。

野茂 俊平（演：柳葉敏郎）

圭子が想いを寄せる相手。小さなおもちゃメーカーに勤めるサラリーマンです。

過去に婚約者から勤め先の肩書しか愛されていなかったという経験があり、恋愛に対して少し臆病になっています。

一本気で男気あふれる性格の持ち主でした。

潮崎 豊（演：石黒賢）

俊平の親友で、圭子と同じ会社の営業部に勤務しています。

軽いノリの明るい性格ですが、人の気持ちを察する繊細さも持ち合わせており、圭子に一途な想いを寄せ続けます。

仁科 友美（演：和久井映見）

圭子の会社の同僚で親友。根も葉もない噂で辛い思いをしていた時に優しくしてくれた圭子を慕っています。

圭子に俊平を紹介するキーパーソンでありながら、自身は同級生の哲雄に危険な恋をしていく世話女房タイプです。

落合 妙子（演：相原勇）

圭子の高校時代からの親友。

ボーイッシュで直情的な性格で、俊平に一目惚れして猛アタックをかけ、圭子を悩ませる存在となります。

「鳴かぬなら鳴かせてみよう」という秀吉タイプで、恋にも友情にも全力でぶつかっていきます。

瀬戸 哲雄（演：東幹久）

圭子と妙子の高校時代の同級生。

元野球部のエースでプレイボーイですが、圭子への想いを断ち切れないでいます。友美からの好意に気づきながらも、危うい関係を続ける複雑な役どころです。

相関図（簡易版）

これらの登場人物たちの恋の矢印が複雑に交錯する様子は、相関図で確認するとより一層物語への理解が深まります。

誰が誰に想いを寄せ、誰がその恋を応援し、そして誰が障害となるのでしょうか。そのもどかしい関係性こそが、本作の大きな魅力となっています。

全体あらすじ【ネタバレなし】

『すてきな片想い』は、海苔問屋に勤める少しドジで内気なOL・与田圭子が、偶然出会った男性・野茂俊平に恋をするところから始まります。切なくもコミカルな純愛ストーリーです。

きっかけはひとつの小さなウソ

物語のきっかけは、圭子がついてしまったひとつの小さなウソでした。

最悪の第一印象を与えてしまった俊平が、実は同僚から紹介された電話相手だと知ります。

こうして現実の「与田圭子」として俊平と顔を合わせながら、電話のなかでは別人「林ナナ」として彼と心を通わせます。このような二重の関係が始まるのです。

さらに圭子の親友が俊平に好意を寄せたり、俊平の親友が圭子に惹かれたりと、恋模様は複雑に絡み合っていくのでした。

果たして、圭子の片想いはどのような結末を迎えるのでしょうか。

各話あらすじ【ネタバレ】

※ ここから先は物語の詳しい内容と展開に触れていきます。まだドラマを視聴していない方は、楽しみを損なう可能性があるためご注意ください。

第1話

OLの圭子は、通勤電車でスカートのファスナーが開いているのを指摘されるなど、数々の失態をサラリーマンの俊平に見られてしまいます。

まさに最悪の出会いでしたが、後日、同僚に紹介された男性に電話をすると驚くほど意気投合。しかし待ち合わせ場所に現れたのは、あの俊平本人でした。

第2話

恥ずかしさのあまり俊平に会う勇気が出なかった圭子。

一方で圭子の親友である妙子が、偶然出会った俊平に一目惚れしてしまい、持ち前の積極性で猛アプローチを開始。

圭子は自分の気持ちを言い出せないまま、親友の恋を応援する複雑な立場になります。

第3話

俊平からの電話に、圭子は咄嗟に本棚にあった作家の名前から「林ナナ」という偽名を名乗ってしまいます。

この小さなウソがきっかけで、現実の冴えない「与田圭子」と、電話の中だけのミステリアスな「林ナナ」という、奇妙で後戻りのできない二重生活が始まりました。

第4話

俊平からナナの写真を送ってほしいと頼まれた圭子は、仕方なく会社の同僚の写真を送ってごまかそうと試みます。しかしその場しのぎのウソが、さらなるすれ違いと誤解を生んでいくのでした。

第5話

俊平への想いを募らせる妙子は、「ナナに会ってみたい」と言い出します。

追い詰められた圭子は、プライドの高い先輩OLにナナの身代わりを頼むという苦肉の策に出ますが、事態はますます混乱していきます。

第6話

親友の妙子への罪悪感と、日に日に大きくなる俊平への想いの間で、圭子は深く苦悩します。

そしていつまでもウソを続けるのではなく、本当の自分として気持ちを伝えようと、少しずつ勇気を出し始めました。

第7話

圭子は、俊平の親友である潮崎豊から真剣な交際を申し込まれます。

優しい豊の気持ちを無下にはできず、かといって俊平への想いを断ち切れない圭子は、答えを出せずにいました。

第8話

豊との交際を始めた圭子でしたが、その心は晴れません。

そんな中、ナナとして俊平と電話をしていると、彼から「実は与田圭子のことが気になっている」と思わぬ片想いを打ち明けられます。

もっとも聞きたい言葉を、もっとも言ってはいけない立場で聞いてしまい、圭子の心は大きく揺れ動きました。

第9話

自分の本当の気持ちに正直になることを決意した圭子は、豊にすべてを話して別れを告げます。

そして電話の中のナナとしても俊平に別れを告げ、この複雑な関係を終わらせる覚悟を固めるのでした。

最終話｜中山美穂演じる圭子の恋の行方は？【ネタバレ】

この項目では物語の核心である結末部分に触れていきますので、まだ知りたくない方はご注意ください。

すれ違いと小さなウソを重ねてきた主人公・圭子と俊平の恋は、クリスマスイブの夜、ついに感動的なクライマックスを迎えることになります。

すれ違いが生んだ悲しい結末？

物語の終盤、圭子は自分の気持ちに正直になることを決意し、俊平に想いを告白します。

しかし親友を傷つけた形になったことで、俊平に誤解されてしまいました。ふたりの心は完全に離れてしまったかのようにも見えます。

圭子はすべてを諦め、俊平の前から姿を消そうとします。

すべての真相が明らかになるとき

ところがある偶然がきっかけで、俊平は圭子が残した定期入れの中に、自分がかつて「林ナナ」へ送った写真が入っているのを発見します。

ここで初めて、今まで電話で話していたミステリアスな女性「ナナ」の正体に気づきます。それは、ずっとそばにいた圭子であったというすべての真相なのでした。

クリスマスの夜、駅の改札口で繰り広げられる心温まるラストシーンの全貌は、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

ドラマの視聴方法は「『すてきな片想い』はどこで見れる？」の欄でお伝えします。

ドラマ「すてきな片想い」あらすじ以外の魅力も紹介

物語のあらすじがわかったところで、本ドラマがなぜ今もなお愛され続けているのか、その魅力をさらに深掘りしていきます。

作品を彩る見どころや主題歌、懐かしのロケ地といった様々な角度から、その人気の秘密に迫ります。

• 「すてきな片想い」3つの見どころ・魅力
• 「すてきな片想い」の懐かしのロケ地
• 主題歌は中山美穂の「愛してるっていわない！」
• 視聴者の感想・評価まとめ
• 「すてきな片想い」はどこで見れる？配信やDVDは？

「すてきな片想い」3つの見どころ・魅力

『すてきな片想い』の魅力は、単なるあらすじの面白さだけではありません。ここでは放送から30年以上経った今でも多くのファンに愛される、3つの見どころを紹介いたします。

1. 応援したくなるヒロイン像

1つ目は、中山美穂さんが演じる主人公・与田圭子のキャラクターです。

美人でありながらドジでおっちょこちょいな一面も。自分の気持ちをなかなか伝えられない内気な性格は、それまでのドラマのヒロイン像とは一線を画すものでした。

応援したくなるような彼女の姿に、多くの視聴者が共感しました。

2. 巧みなストーリー展開

2つ目に、脚本家・野島伸司さんによる巧みなストーリー展開が挙げられます。

携帯電話のない時代だからこそ生まれる「すれ違い」や「もどかしさ」が巧みに描かれており、視聴者を惹きつけます。

小さなウソから始まった関係が、純粋な恋心へと変わっていく過程は必見です。

3. 懐かしくも新しい90年代の空気感

そして3つ目は、随所に感じられる1990年代の空気感でしょう。

登場人物たちのファッションや髪型、物語の小道具、そして街並みなど、当時の雰囲気が満載です。

懐かしさを感じる世代はもちろん、知らない世代にとっても新鮮に映る点が魅力となっています。

「すてきな片想い」の懐かしのロケ地

物語の雰囲気をより一層高めているのが、印象的なロケ地の数々です。主な撮影は東京都の府中市周辺で行われ、今でも面影を感じられる場所が存在します。

象徴的なロケ地・府中競馬正門前駅

特に象徴的なのが、京王線の府中競馬正門前駅です。この駅は、主人公の圭子と俊平が住むアパートの最寄り駅として設定されました。

出会いや別れなど、数々の重要なシーンで登場しています。ドラマの雰囲気を味わう上で欠かせない場所といえるでしょう。

現在は見られない幻のロケ地も

またふたりが向かい合って住んでいたアパートの外観も、府中市内で撮影されました。

残念ながら、圭子が住んでいたアパートは2016年頃に取り壊されてしまい、現在はその姿を見ることはできません。

この他にも、オープニングで使われた銀座のおもちゃ屋「博品館TOY PARK」など、都内各所で撮影が行われています。当時を思い出しながら、これらの場所を訪ねてみるのも面白いかもしれません。

主題歌は中山美穂の「愛してるっていわない！」

本ドラマの世界観を語る上で欠かすことのできない要素が、主演の中山美穂さん自身が歌唱した主題歌「愛してるっていわない！」です。

この楽曲は、単なるタイアップ曲という枠を超えています。

物語の切なくもどかしい雰囲気を音楽面から見事に表現し、視聴者の感情移入を深める重要な役割を果たしました。

まさにドラマの人気を象徴するヒット曲となっています。

ドラマの世界観とシンクロする歌詞

特筆すべきは、歌詞とドラマの主人公・圭子の心情が見事に重なり合っている点でしょう。

「好き」という気持ちを抱えながらも、様々な事情から素直に口に出せません。そんな圭子の揺れる恋心が、そのまま歌詞の世界観に映し出されていました。

ドラマのクライマックスシーンでこの曲のイントロが流れるたびに、胸を締め付けられた方も少なくないはずです。

1990年代らしい華やかさと切なさが同居したメロディーが特徴的です。

そして中山美穂さんの繊細な歌声が一体となり、多くの人々の記憶に残る一曲となりました。ドラマの名シーンの数々を思い出しながら、ぜひ改めてこの名曲を聴いてみてください。

視聴者の感想・評価まとめ

放送から30年以上が経過した現在でも、『すてきな片想い』は多くのドラマファンによって語り継がれています。ここでは視聴者から寄せられた、様々な感想や評価を紹介します。

共感と懐かしさの声

多く聞かれるのは、主人公の一途な恋模様に対する好意的な意見です。

「主人公の健気な姿を応援したくなった」という声や、「携帯電話のない時代ならではのもどかしさにキュンキュンした」といった感想が寄せられています。

また「中山美穂さんがとにかく可愛い」「登場人物たちのファッションが懐かしい」など、キャストや時代背景を楽しむ感想も少なくありません。

現代ならではの視点も

一方で現在の視点から見ると、「主人公の行動が少し優柔不断に感じる」「今ならもっと早く解決しそうなのに」といった客観的な意見も見受けられます。

このように懐かしさを感じながら共感する方もいれば、現代とのギャップを楽しむ方もいます。

「すてきな片想い」はどこで見れる？配信やDVDは？

『すてきな片想い』をもう一度見たい、あるいは初めて見てみたいという方は、動画配信サービスやDVDを利用して視聴することが可能です。

現在、いくつかの方法でこの名作ドラマを楽しむことができますので、ご自身の環境に合った視聴方法を選ぶとよいでしょう。それぞれの特徴を紹介いたします。

動画配信サービス

2025年8月現在、フジテレビの公式動画配信サービス「FODプレミアム」で全話が見放題配信されています。またアマゾンのprimeビデオ「FODチャンネル」でも、全話視聴できます。

月額料金で、スマートフォンやパソコンからいつでも手軽に視聴できるのが大きなメリットです。

DVDレンタル

「TSUTAYA DISCAS」などの宅配DVDレンタルサービスを利用して、全巻をレンタルする方法もあります。

インターネットで注文すれば自宅のポストにDVDが届くため、店舗へ行く手間が省けて便利です。

DVDの購入

本作品は2009年にDVD-BOXとして発売されています。

オンラインストアなどで購入すれば、いつでも好きな時に作品を繰り返し楽しめます。手元にコレクションとして残しておきたい方におすすめの選択肢です。

なお配信状況は変更される場合があるため、ご契約の際は各サービスの公式サイトで最新の情報をご確認ください。

ドラマ「すてきな片想い」のあらすじとポイントの総括

ひとつのウソから始まった、もどかしくも温かい恋の物語「すてきな片想い」。時代を超えて愛される登場人物たちの魅力と、色褪せない90年代の輝きを、ぜひ本編で改めてお楽しみください

• 1990年にフジテレビ「月9」で放送された中山美穂主演の純愛ドラマである
• 脚本は野島伸司が担当し、「純愛三部作」の第一作と位置づけられている
• 地味なOL圭子が小さなウソをきっかけに複雑な片想いを繰り広げる物語だ
• 物語は全10話で構成され、最終話で最高視聴率26.0%を記録した
• 主人公は中山美穂演じるドジで内気なOL・与田圭子
• 相手役は柳葉敏郎演じる恋愛に臆病なサラリーマン・野茂俊平
• すれ違いやもどかしさを生む巧みなストーリー展開が見どころである
• 1990年代のファッションや空気感が作品の魅力のひとつとなっている
• ロケ地は主に東京都府中市周辺で、今も面影を感じられる場所がある
• 主題歌は主演の中山美穂が歌うヒット曲「愛してるっていわない！」
• 視聴者からは、主人公の健気な姿や時代背景への好意的な感想が多い
• 視聴方法はFODプレミアムなどの動画配信サービスやDVDがある
• 複雑に絡み合う登場人物たちの恋愛模様が物語に深みを与えている

最後までご覧いただきありがとうございました。

コンテンツライターのヨミトがお届けしました。（プロフィールはこちら）