
この記事でわかること
✓ 映画の基本的な設定、登場人物、そして物語がどのように始まるか
✓ ネタバレを含む、物語全体の詳しい流れと結末
✓ 作品の中心的なテーマや、込められたメッセージ性
✓ 原作小説との共通点や相違点、映画ならではの魅力や見どころ
映画『きいろいゾウ』―その優しくも謎めいたタイトルに隠された、夫婦の愛と秘密、そして涙の真相をご存知ですか?

本作は宮崎あおいさんと向井理さんが織りなす、心揺さぶる夫婦の物語です。
ここでは、「きいろいゾウ」の基本的なあらすじから、物語の核心に迫る詳細なあらすじ(ネタバレあり)、登場人物たちの複雑な関係性についてご紹介。
さらに作品に込められた深いテーマや「きいろいゾウ」が象徴する本当の意味まで、徹底的に解き明かしていきます。
「感動した」という声の一方で、「つまらない」「意味がわからない」といった感想がなぜ生まれるのか、その理由にも迫ります。
映画『きいろいゾウ』あらすじと作品の魅力
この章ではまず『きいろいゾウ』の心温まる、そして時に切ない物語の世界へ足を踏み入れるための基本的な情報を、次の項目順にてご紹介します。
- 映画「きいろいゾウ」とは?作品基本情報
- 導入あらすじ―ネタバレなし
- 主な登場人物とキャスト相関図で紹介
- 映画「きいろいゾウ」の見どころと魅力
- 「きいろいゾウ」はどこで見れる?
映画「きいろいゾウ」とは?作品基本情報
映画『きいろいゾウ』は、人気作家・西加奈子さんの同名ロングセラー小説を原作とした、夫婦の愛と再生を描いたラブストーリーです。

本作は主演の宮崎あおいさんと、向井理さんが初めて共演した作品としても注目を集めました。
『ヴァイブレータ』や『余命1ヶ月の花嫁』などで知られる廣木隆一監督がメガホンを取り、原作の持つファンタジックでありながらも切ない世界観を丁寧に映像化しています。
作品の概要とスタッフ・キャスト
作品の基本情報は以下の通りです。
- 公開日: 2013年2月2日
- 監督: 廣木隆一
- 原作: 西加奈子
- 脚本: 黒沢久子、片岡翔
- 主な出演者: 宮崎あおい、向井理、柄本明、松原智恵子、リリー・フランキーほか
- 上映時間: 131分
- 配給: ショウゲート
- 主題歌: ゴスペラーズ「氷の花」
物語のキャッチコピーは「痛みを知る、すべての人へおくる感動のラブストーリー」です。心に傷を抱えながらも寄り添い合う夫婦の姿が、美しい風景と共に描かれています。
導入あらすじ―ネタバレなし

この物語は特別な能力をもつ妻と、心に秘密を抱える夫の出会いから動き出します。
妻の「ツマ」(妻利愛子)は、幼い頃の経験から動物や植物の声を聞くことができる、非常に感受性の豊かな女性です。
一方、夫の「ムコ」(無辜歩)は、背中に大きな鳥のタトゥーを持つ、売れない小説家という設定になっています。
ふたりの出会いと新たな生活
ふたりはある満月の夜、運命的に出会い、すぐに結婚を決意しました。そして都会の喧騒を離れ、九州地方と思われるのどかな田舎町で新しい生活をスタートさせます。
周囲の個性的な隣人たちとの交流を深めながら、表面上は穏やかで幸せな日々を送るふたりです。しかし実は、お互いに打ち明けられない過去や秘密を抱えています。
そんなある日、ムコ宛に差出人の名前が書かれていない一通の手紙が届くのです。
この不可解な手紙がきっかけとなり、ふたりの静かな生活と、築き上げてきた関係に少しずつ波紋が広がっていくことになります。
ここから物語は、ふたりが互いの、そして自身の過去と向き合わざるを得ない展開へと進んでいくのです。
主な登場人物とキャスト相関図で紹介

映画『きいろいゾウ』には、物語を彩る個性豊かな登場人物たちが登場します。
中心となるのは、宮崎あおいさんが演じる妻「ツマ」と、向井理さんが演じる夫「ムコ」です。このふたりと周囲の人々との関係性が、物語の重要な要素となっています。
主要キャラクター紹介
主な登場人物とキャストは以下のとおりです。
■ツマ(妻利愛子) / 演: 宮崎あおい (幼少期: 本田望結)
動物や植物の声を聞くことができる純粋な女性です。感受性が豊かですが、時に感情の起伏が激しくなることもあります。
■ムコ(無辜歩) / 演: 向井理
売れない小説家であり、介護施設でも働く青年なのです。背中に鳥のタトゥーがあり、過去に心の傷を抱えています。穏やかで優しい性格となっています。
■アレチ / 演: 柄本明
ムコとツマの隣に住む老人です。認知症の妻セイカを献身的に介護しています。
■セイカ / 演: 松原智恵子
アレチの妻で、認知症を患っています。不思議な言動の中に、時折真実が含まれているようです。
■大地 / 演: 濱田龍臣
学校に行けなくなり、田舎の祖父母のもとで暮らす少年です。ムコやツマとの出会いを通じて成長します。
■洋子 / 演: 浅見姫香
大地のことが好きな、少しおませな少女となっています。
■緑 / 演: 緒川たまき
ムコの過去に深く関わる女性で、画家でもあります。
■夏目 / 演: リリー・フランキー
緑の夫であり、ムコに一通の手紙を送ります。
簡単な相関図

彼らの関係性を簡単に示すと、ツマとムコ夫婦を中心に、隣人のアレチ・セイカ夫妻、少年少女の大地・洋子、そしてムコの過去を知る緑・夏目夫妻が関わり合います。
さらに、ソテツ(声:大杉漣)やヤギのコソク(声:柄本佑)など、ツマと会話する動植物たちも物語に彩りを加えています。
映画「きいろいゾウ」の見どころと魅力

映画『きいろいゾウ』の大きな魅力は、ファンタジックな要素と、夫婦が抱えるリアルな感情や葛藤が繊細に描かれている点にあるでしょう。
単なるラブストーリーにとどまらず、愛ゆえの痛みや過去の傷との向き合い方、そして何気ない日常の大切さといった、普遍的なテーマを問いかけてくる作品です。
俳優陣の演技と監督の演出
具体的な見どころとしては、まず主演ふたりの演技が挙げられます。
原作ファンでもある宮崎あおいさんと向井理さんが、初共演ながら息の合った夫婦役を好演しています。

感情の揺れ動くツマを演じる宮崎さんの表現力は特に、多くの観客の心を掴みました。
廣木隆一監督による、美しい映像と静謐ながらも力強い演出も魅力のひとつといえるでしょう。
長回しや役者の表情を捉えるアップショットなどが効果的に用いられています。
独特の世界観と美しいロケーション
また動物と話せるツマや、作中に挿入される絵本のようなアニメーションといったファンタジー要素は注目です。
これらと夫婦間のすれ違いや秘密といった、現実的なドラマが融合した独特の世界観も、本作ならではといえるでしょう。
三重県の自然豊かなロケーションも美しく、物語の雰囲気を高めることに貢献しています。
大杉漣さんや安藤サクラさんといった豪華俳優陣が声で参加している点も、作品に深みを与えています。
鑑賞する上での注意点
ただ注意点として、物語の展開がゆっくりと感じられたり、ツマのキャラクター設定や行動に共感しにくいと感じたりする方もいるかもしれません。
ファンタジックな雰囲気が好みかどうかで、評価が分かれる可能性のある作品ともいえるでしょう。
「きいろいゾウ」はどこで見れる? 配信情報

映画『きいろいゾウ』は2025年5月13日現在、いくつかの動画配信サービスやDVDレンタルで視聴することが可能です。ご自身の視聴スタイルに合わせてサービスを選ぶことができます。
主な視聴方法は以下のとおりです。
見放題配信
U-NEXT、WOWOWオンデマンドで見放題対象となっています。月額料金内で追加料金なしで視聴できるのがメリットです。
U-NEXTでは31日間の無料トライアル期間が設けられていることもあります。
レンタル・購入配信
Prime Video、Rakuten TVなどでは、作品ごとに料金を支払ってレンタルまたは購入する形式で配信されています。TSUTAYA DISCASでは、本作のDVDレンタルが可能です。
なおNetflixやHuluなど、一部の主要サービスでは現在配信されていないようです。
視聴前の確認事項
注意点として、動画配信サービスの配信状況は頻繁に変更されることがあります。
視聴を希望される際には、必ず各サービスの公式サイトで最新の配信状況や料金、無料トライアルの有無・条件などを確認することが大切です。
映画『きいろいゾウ』あらすじ考察と感想まとめ

ここまでで映画『きいろいゾウ』の基本的な情報や、ネタバレを避けた範囲での魅力をお伝えしました。ここからは次のことを取り上げて、この作品の世界を深掘りしていきます。
- 詳しいあらすじと結末-ネタバレ注意
- タイトルの意味・テーマ・メッセージ性の考察
- ツマの言動「統合失調症」という解釈について
- 原作小説との違いと共通点は?
- 評価・感想レビューまとめ「つまらない」は本当?
詳しいあらすじと結末-ネタバレ注意
(※ここからは物語の結末を含む重大なネタバレ情報が含まれます。映画を未視聴の方はご注意ください。)
穏やかな田舎暮らしを送るツマとムコでしたが、ムコ宛に届いた差出人不明の手紙が、ふたりの関係と過去に大きな影響を与えます。
物語の結末では、ふたりが互いの秘密や傷と向き合い、それを乗り越えて真の夫婦として再生していく姿が描かれます。
手紙の真相とムコの決意
手紙の送り主は、ムコが過去に深く関わった女性「緑」の夫「夏目」でした。
ムコの背中にある鳥のタトゥーは、画家である緑がデザインしたものであり、ムコにとって忘れられない過去の象徴だったのです。
夏目は娘を亡くしてから、心を閉ざしてしまった緑を助けてほしいとムコに依頼します。

ムコは世話になった人の死も重なり、過去ときちんと向き合う必要性を感じていました。
過去との対峙、そしてツマの苦悩
ムコはツマに編集者との打ち合わせだと嘘をつき、過去と決別するためにひとりで東京へ向かいます。
緑と夏目に会い、自身の経験やツマへの想いを語ることで、緑の心に変化をもたらそうと試みます。
この出来事を通じて、ムコ自身もまた、過去のトラウマから解放され、「今」を生きる決意を固めるのです。
一方、ムコが留守の間、ツマは不安と孤独に苛まれます。ムコの日記を読み、彼の秘密を知ってしまうことへの恐れや、自分がないがしろにされているという感情が高まるのです。
そして感情が爆発したツマは、水道の蛇口を止めようとするムコの手を、ガラスのコップや茶碗で何度も叩きつけるという衝撃的な行動に出てしまいます。
この痛々しいシーンは、ツマの心の叫びを表しているとも解釈できるでしょう。この過程で、ツマはこれまで持っていた動物や植物の声を聞く能力を失ってしまいます。
夫婦の再生と新たな日常
東京から戻ったムコは、過去の女性ではなく、目の前にいる「ツマ」こそが自分の人生にとってかけがえのない存在であることを強く再認識します。
ツマもまた不思議な能力を失った代わりに、ムコという存在の大きさ、日常の尊さに気づきます。

「奇跡とは日常」という作中の言葉が示すように、ふたりは互いの痛みや弱さを受け入れます。
そして本当の意味で心を通わせることで、より深い絆で結ばれた夫婦となり、再び穏やかな日々を取り戻していくのでした。
ムコの日記の最後には「ぼくのつま」という言葉が力強く記されます。
タイトルの意味・テーマ・メッセージ性の考察

映画のタイトル『きいろいゾウ』は、この物語がもつ複数のテーマやメッセージを象徴的に内包していると考えられます。
単に作中に登場する絵本の題名というだけでなく、登場人物たちの心の拠り所や夫婦の絆、日常に潜む奇跡といった、より深い意味合いを持っているようです。
「きいろいゾウ」の象徴性
作中において「きいろいゾウ」は、まずツマが孤独な入院生活を送っていた幼少期に出会い、心の支えとなった大切な存在として描かれています。
彼女がもつ不思議な能力のきっかけとも関連付けられています。またムコにとっても、詳細は語られないものの、特別な思い入れのある絵本であることが示唆されるのです。
この共通のモチーフは、過去は知らずともどこかで繋がっているふたり、あるいはふたりが目指すべき理想の関係性を象徴しているのかもしれません。
ムコが日記の中で「(ツマのそばにいる)きいろいゾウは僕でありたい」と願うシーンは、その表れとも解釈できるでしょう。

黄色い色が幸福や暖かさを連想させることも、無関係ではないかもしれません。
作品が問いかけるテーマ
このタイトルが示すテーマとしては、「夫婦の愛と再生」がまず挙げられます。
傷つき、すれ違いながらも、互いを理解し、過去を受け入れて真の絆を築いていくふたりの姿が中心にあるのです。そして「日常の尊さ」も重要なテーマとなっています。
「奇跡とは日常」というソテツの言葉に象徴されるように、当たり前に過ぎていく日々の大切さや、その中に幸せを見出すことの重要性が示唆されます。
さらに言葉で伝え合うことの難しさと大切さ、過去のトラウマといかに向き合うか、といった点も、本作が問いかけるテーマといえるでしょう。
総じてこの映画は、愛する人と真摯に向き合うこと、過去を受け入れ未来へ進む勇気を示唆しています。
そして日々の暮らしの中に幸せを見つけることの大切さを、ファンタジックな世界観を通して伝えているのではないでしょうか。
ツマの言動「統合失調症」という解釈について

映画『きいろいゾウ』の主人公ツマが見せる、動物や植物の声を聞く能力や、時に見られる感情の急激な起伏といった描写について、一部の観客の間では意見があります。
それは「統合失調症」などの、精神的な状態を反映しているのではないか、という解釈や感想です。
幻聴を思わせる描写や、感情のコントロールが難しい場面(特に蛇口のシーンなど)が、そのような解釈に繋がる要因となっているようです。
多様な解釈の可能性
しかしながら、作中においてツマが特定の病気であると診断されたり、明示されたりすることはありません。

ツマの特異な言動は、物語を彩るファンタジー要素として設定されている可能性も十分にあります。
あるいは幼少期の病気や、孤独な経験が育んだ極めて高い感受性や共感能力の表れとも考えられます。
またはムコへの強い愛情や失うことへの不安が形になったもの、と捉えることもできるでしょう。
「イマジナリーフレンド(空想の友達)」のような、孤独を埋めるための心理的な防衛機制として声を聞いていた、という見方も存在します。
解釈する上での留意点
重要なのは、これらの解釈はあくまで観客それぞれが感じ取ったものであり、制作者の意図が必ずしもそうであるとは限らないという点です。
医学的な知識に基づいて安易に特定の病名と結びつけることには、慎重さが求められます。
ツマの描写をどのように受け取るかは観客に委ねられており、「統合失調症」という見方も、多様な解釈の中のひとつとして捉えるのが適切かもしれません。
物語のテーマである夫婦の愛や再生を考える上で、彼女の持つ純粋さや脆さの表現として理解することも大切でしょう。
原作小説との違いと共通点は?

映画『きいろいゾウ』は、西加奈子さんの人気小説を原作としていますが、原作のすべてをそのまま映像化したわけではありません。

物語の基本的な骨格やテーマは共有しつつも、映画ならではの脚色や変更点が見られます。
これは400ページを超える長い小説を、約2時間という限られた上映時間に収めるためや、映像表現として効果的な演出を加えるためと考えられます。
物語の核となる共通点
まず共通点としては、ツマとムコという夫婦の出会いから田舎での生活、そして過去の出来事と向き合い再生していくという物語の大きな流れが挙げられます。
主要な登場人物たちやツマが持つ不思議な能力、そして「きいろいゾウ」というキーワードも、原作と映画で共通して描かれています。
夫婦の愛や日常の大切さといった作品の核となるテーマも、両者に通底しているといえるでしょう。
映画化における主な相違点
一方、違いとして指摘されることが多いのは、ムコのキャラクター描写です。
原作では彼の内面の葛藤や苦悩がより詳細に描かれていますが、映画ではその部分がやや簡略化されていると感じる人もいるようです。
映画版ではツマの言動に戸惑いながらも優しく見守る夫、という側面がより強調されているかもしれません。

また原作で描かれる生活感あふれる描写は、映画では抑えられています。
例えば、夫婦がビール好きであることや、性的な会話などが挙げられます。
そして全体的におしゃれで、クリーンな雰囲気の田舎暮らしとして表現されています。
時間の制約から、原作に登場する一部の脇役のエピソード(漫才師「つよしよわし」など)がカットされている点も違いといえるでしょう。
加えて、ソテツの名前(原作では「ヨル」)やコソクの種類(原作ではチャボ、映画ではヤギ)といった細かな設定変更や、映画オリジナルのシーン(虹色の羽根が降る場面など)も存在します。
どちらが良いかは一概には言えません。しかし原作は文字だからこそ深く描ける心理描写、映画は俳優の演技や美しい映像、音楽といった総合的な魅力があると評価できるでしょう。
原作ファンの方は、違いを楽しむという視点で観るのも面白いかもしれません。
評価・感想レビューまとめ「つまらない」は本当?

映画『きいろいゾウ』は、観る人によって評価が大きく分かれる作品として知られています。
「感動した」「心温まる」「世界観が好き」といった好意的な感想が多く寄せられる一方で、「つまらない」「共感できない」「意味が分からない」といった否定的な意見も確かに存在します。
好意的な意見のポイント
肯定的な評価としては、主演の宮崎あおいさんと向井理さんが作り出す夫婦の雰囲気や、繊細な演技を挙げる声が多いようです。
感情豊かにツマを演じた宮崎さんへの評価は、特に高いものがあります。

また廣木隆一監督による美しい映像表現や、三重県の自然豊かなロケーションも魅力です。
さらにファンタジックで優しい世界観、心に響くセリフ(「奇跡とは日常」など)やテーマ性、ゴスペラーズによる主題歌なども、高く評価されるポイントとなっています。
日常の大切さや夫婦の絆について深く考えさせられた、という感想も見られます。
否定的な意見とその背景
一方の否定的な感想としては、次のようなツマのキャラクター設定や行動に対する戸惑いや、嫌悪感を挙げる声が目立ちます
- 不思議ちゃん的な言動
- 感情の起伏の激しさ
- 蛇口のシーンでの暴力的な行動…など
一部ではツマの行動が理解しがたい、あるいは精神的な不安定さを感じさせ、見ていて辛くなるという意見もあります。
物語の展開がゆっくりしているため退屈に感じたり、ファンタジー要素が強すぎて現実味がなく、感情移入できないと感じる人もいるようです。

ムコの行動原理がわかりにくい、セリフが不自然に聞こえる、といった指摘もあります。
作品との向き合い方
結局のところ、「つまらない」と感じるかどうかは、この映画の持つ独特な世界観や、登場人物の描き方、物語のテンポなどが、観る人の好みや感性に合うかどうかに大きく左右されるといえるでしょう。
事前にファンタジー要素が強く、登場人物の感情の機微をゆっくりと描くタイプの作品であることを理解した上で鑑賞を判断するのが良いかもしれません。
万人受けするタイプの映画ではないかもしれませんが、深く心に響く人にとっては、忘れられない一作となる可能性を秘めています。
映画『きいろいゾウ』あらすじと作品概要の総まとめ

『きいろいゾウ』の魅力と深いメッセージを多角的に紐解きました。
本作には、夫婦の愛と再生、そして「奇跡とは日常」という珠玉のメッセージが込められています。あなたの心に描かれる「きいろいゾウ」を、ぜひ本編で感じてみてください。
それでは最後にポイントを箇条書きでまとめます。
- 西加奈子の同名小説が原作の、夫婦の愛と再生を描く物語である
- 主演は宮崎あおいと向井理、監督は廣木隆一が務めた
- 動物の声が聞こえる妻ツマと、秘密を抱える夫ムコの出会いから始まる
- 田舎での穏やかな生活に、一通の手紙が波紋を投じる
- ツマとムコを中心に、個性的な隣人や過去の人物たちが関わる
- ファンタジックな要素とリアルな感情描写の融合が特徴だ
- 過去の秘密と向き合い、互いの痛みを知り真の夫婦として再生する結末である
- タイトル「きいろいゾウ」は、夫婦の絆や日常の奇跡を象徴する
- ツマの特異な言動は多様に解釈可能だが、作中での断定はない
- 原作とはムコの苦悩描写の深さなどに違いが見られる
- 評価は賛否両論あり、独特の世界観が好みを分ける要因だ
- 2025年5月現在、複数の動画配信サービスやDVDで視聴可能である
最後まで見ていただきありがとうございました。
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